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ヤザン・リガミリティア
獣爪は月で研がれる
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んでいくヤザンとオリファー。

地球に降りる前はホラズムここでヴィクトリーとガンイージの試作機の更に試作機レベルの機体に関わっていたのだ。

古女房の実家ぐらいにはスイスイと歩ける。

 

『よォし…2人か。これでシュラク隊とマーベット、カテジナで2対7…面白くなりそうだ。

オリファー、久しぶりに俺達がヒヨッコをもんでやるとしようぜ』

 

『そううまくいきますかね…なにせこちらも新型ですよ?』

 

『貴様なら触れば分かるだろう。ヴィクトリーと基本周りは同じだ。

それに奴らだって新型なんだ…慣れてないのはお互い様さ』

 

V2は掌をグーパーと握り開きを繰り返し、頭部を360度回転させたりと、

一見奇妙な行動を繰り返しているがこれも立派な動作チェックだ。

 

『…確かに。

マーベット達も腕を上げてますけど、こちらも負けていられませんな、隊長。

隊長の足を引っ張らないよう気張らせてもらいます』

 

『フッ、その意気だ』

 

軽口を叩きあいながら2機の新型マシーンが軽快に脚を進める。

その挙動は軽い。

ヴィクトリーも軽さが売りではあったが、このV2は更に軽快で、これだけでヤザンはV2の運動性の凄まじさの片鱗を感じるのは流石ヤザン・ゲーブルだ。

 

(コイツは…良い機体だぜ。しかし、やはり俺にはガンダムタイプはしっくりこんな)

 

過去の因縁に、コクピットで独り自嘲的な笑みを浮かべ、ヤザンはV2のレバーを押し込んだ。

 

 

 

 

――

 



 

 

 

 

数ヶ月前か、或いは数年前か。

久しぶりに見たような光景がそこには広がっている。

リガ・シャッコーがくたびれたようにして演習場に隣接する仮設ハンガーに着陸し、膝をつく。

鋼鉄が擦れる事が響いて火花が散る。

コクピットハッチを蹴飛ばすように開いてカテジナ・ルースが顔を出し、怒鳴った。

 

「推進剤とライフルへの補給、頼む!」

 

慌ただしく整備士連中を指揮しているミズホと、早速現場入りして手伝っているストライカー、クッフ、そしてロメロ爺さん達。

7機のリガ・シャッコーは引っ切り無し補給に降りてくるが、

いきなりこれ程に雑で激しい訓練に担ぎ出されても未だに脆い関節シリンダーやモーターにガタは来ていない。

同じような激しい訓練をジェムズガンやジャベリンでやった時には、同じ訓練時間で3回は何らかのパーツ交換が発生していただろう。

合体変形機構を持つヴィクトリーや、コストダウンを図ったガンイージもそこまで堅牢な作りではない。

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