獣爪は月で研がれる
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「それですよ!ミノフスキー・ドライブ!
半永久機関ですよ!人類史に名を刻む大発明なんですよこれは!
リガ・ミリティアが潜伏地下組織でなければ、今が戦時中でなければ!連邦高官も各メディアも各コロニー代表も呼んでの大々的セレモニーで発表すべき大発明を我らは成し遂げたんですよ!?
ヘリウム3と一度反応させれば、ジェネレーターから発生する電力を直接推進力にし、以後は推進剤不要でIフィールドの斤力を任意方向に発生させ続けます!
これは機体に推進剤を貯蔵する必要も無いという事で、しかもロケット燃焼と違い――」
「あー、もういい。わかった」
ヤザンがいかにも面倒そうに掌を一回は・た・め・かせた。
「え」
「俺達はパイロットだ。技術畑の話は最低限で良い。
そういうのはストライカーにでもしておいてくれ」
「…わかりました」
見るからにしょんぼりした様子で、ミズホはとぼとぼと機体の足元まで一行を誘導。
コクピットへのウィンチを降ろすと、皆へ分かりきった事を尋ねる。
「では、早速乗ってみますか?」
「フン…ようやくか。YESだ」
パイロット達は待ってましたとばかりに皆が勇猛に微笑んだ。
ヤザンがオリファーを呼び寄せ、彼の背を叩きつつ共に駆け出すと、当たり前のように2人は2機しかないV2へと向かう。
残されたシュラク隊の3人…
ジュンコ、ヘレン、ケイトとそしてマーベットとカテジナは互いに見合って肩を竦めた。
きかん坊にフラッグシップのテストは譲ってやるらしい。
「じゃ、あたし達はあっちのリガ・シャッコーってことね」
「しかたないわね。ああいう男だし」
マーベットにカテジナは気軽に返しつつ、シュラク隊らと共に軽い駆け足で先程の格納庫へと回れ右。
ミズホはレシーバーから館内放送で皆に新型機が動き出す旨を周知。
各作業員も慌てて動き出した。
『ミズホ、折角シャッコーの量産型があれだけあるんだ。5機じゃ勿体ない。
俺とオリファー相手に模擬戦形式でやらせろ。
テストパイロットとやらはどこにいる』
既にコクピットに収まってスピーカーで足元の女整備士へ要求を飛ばすヤザン。
なんとも迅速極まる動作だ。
カメラアイを琥珀色に光らせる青い新型を見上げ、ミズホは大きな声で怒鳴るように返した。
「フランチェスカとミリエラですね!今呼んできますから先に上がってて下さい!
第1演習場が使えます!」
ミズホに言われ、迷うこと無くV2の脚を大型エレベーターへと運
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