獣爪は月で研がれる
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。俺はカミオン隊の整備主任だし、あっちでデータを見ても?」
「ええ、どうぞ。行って下さい。私は隊長達に説明を続けますので」
普段は無口で武骨なタイプのストライカーが、まるで童子のようにそわそわとMSの診断コンピューターへまっしぐらだ。
そんなストライカーを目だけで見送ったヤザンがミズホへ尋ねる。
「あいつの名は?」
「リ・ガ・・シャッコーです」
「リガ…リガ・ミリティアのシャッコーってこと?安易ね」
カテジナの感想は的を得ていた。
確かに、と皆も思ったがそれぐらいシンプルな方が分かりやすいというものだ。
それに、ホラズムの技術者連中にとっての本命はリガ・シャッコーシャッコー量産型ではなく、更に隣の格納庫ブロックに鎮座する革・新・的・な・新型MSだった。
「リガ・シャッコーも私達の苦心の作ですけど、ミューラ先輩の一番の目玉はあっちのドックにあります」
ミズホに先導され、パイロット達が隣の格納庫へと移動していく。
「あれが完成したのか」
その目玉商品について、ある程度はヤザンも知っていた。
それのプロトタイプのテスト期には、既にヤザンは最前線で激戦の中にいたからテストには参加出来なかったものの、ミューラは独自の伝手で元連邦の凄腕パイロットにテストパイロットを依頼したらしいが、詳細は不明であるのはいかにも秘密主義のゲリラ組織、リガ・ミリティアらしい。
ミズホは振り返ること無く、歩きながらヤザンへ返した。
「ええ、とうとう完成しました。
リガ・シャッコーのせいで少し遅れてしまいましたけどね…。
隊長には是非、乗り心地を試して貰いたいとミューラ先輩も言ってましたよ」
ご覧ください、とミズホも胸を張ってそのMSを披露した。
ハンガーに固定されている2機のVタイプ。
ヴィクトリーガンダムとは違い、青のカラーリングが主張していて、何より目を引くのは胸部から襟を通り、背後に突き出るようなVの字≠ナある。
「形式番号LM314V21、V2ガンダムです!
我らがリガ・ミリティアの象徴たるフラッグシップ機ですよ!」
おぉ、とパイロット達から小さな歓声が湧き上がる。
しかし、ミズホが喜んでもらいたいMS隊統括のヤザン・ゲーブル隊長の反応はいまいちだ。
「あれ?喜んだり驚いたり…しないんですか?」
「そう言われてもな。見た目が玩具のようなVタイプの新型としか分からん。
例の…ミノフスキー・ドライブは搭載しているのだろうな、というのは分かるがな」
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