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ヤザン・リガミリティア
女獣達
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「ヤザン隊長はあんなお嬢ちゃんまでうまく乗りこなしたらしいですな。

全く大した人ですよ。同じ男として尊敬しちまいますね。ハッハッハ!」

 

ゴメスの豪快な笑いに、彼の言いたいことを何となく察した伯爵は曖昧に頷くのだった。

 

 

その日、ヤザンの部屋担当の清掃員の悲鳴が

ラビアンローズに秘かに木霊していたのを誰も知らない。

 

 

 

 

――

 



 

 

 

 

 

改造艦リーンホースJrの処女航海は実に快適だった。

アナハイムの腕前は流石の一言で、

ラビアンローズスタッフによる清掃と改造はほぼ完璧だったと言える。

僅か3日という突貫工事ながらも、これといった不備や欠陥も見当たらず、

戦力は勿論居住性すら旧リーンホースを圧倒的に上回る結果となった。

さすがは船体の8割がザンスカールの新鋭艦だと、敵国の技術力を褒めずにはいられない。

MSも艦船も、帝国の基礎設計の素晴らしさは認めざるを得ないだろう。

それほどに良い艦として生まれ変わっていた。

 

出航にあたってバグレ艦隊のユカ・マイラスMS戦隊長が、

見事な敬礼をMSにさせ隊総出で見送ってくれたのは壮観だった。

今の時代では早々見られるものではない。

さすがはヤル気のあった連邦正規軍出身者は違う。

 

道中、これといって敵とも遭遇せずに済み、

月面都市に付くまで、リガ・ミリティアの者達にとても安穏とした時間を与えてくれる。

まさにリーンホースJrの基本性能を確かめるのに絶好の航海日和と言えた。

 

また、パイロット達にとってもこの平穏は良かった。

シュラク隊などは、たとえばここで敵に襲われでもしたら

怪我をおして出撃してしまうような連中だから、

敵影無しの報告には総隊長のヤザンも胸を撫で下ろす。

 

「なんか…カテジナの嬢ちゃんも落ち着いてきたね。

最初のつっけんどんのハリネズミ具合がかなりマシになってきてる」

 

そう評したのはヘレン。

元気一杯のシュラク隊の無傷三人娘は、現在食堂で昼飯を突っついていた。

ペギー、マヘリア、コニーは今もベッドに括り付けられて静養中だ。

コニーはそこまで重傷ではなかったし、

ペギーとマヘリアも既に命が危ない段階はとっくに越えているが

休める内に休ませておく…という上ヤザンの判断だった。

 

「…あれ、きっとヤザン隊長と寝たんだ。

態度にも余裕あるし自信もある…何より歩き方がちょっと不自然だったし」

 

ケイトがそう返したのは、自分
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