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ヤザン・リガミリティア
ラビアンローズでの獣の夜
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ヤザンがリガ・ミリティアにいる   作:さらさらへそヘアー

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ラビアンローズでの獣の夜

接舷し白兵戦を強行したリーンホースの損傷は激しい。

敵旗艦を仕留めた金星は偉大だが、

もはやセント・ジョセフまで満足に航行出来るレベルですら無く、

修復よりも新造する方が安く済む…という損傷具合だった。

物無し金無しのリガ・ミリティアだが、

さすがにこの状態のリーンホースならば解体もやむを得ない。

一方で、奪取したザンスカールの大型新鋭艦スクイード1のダメージは軽微だ。

ただ、この新鋭艦にも問題がある。

汚いのだ。

リガ・ミリティアの作戦のせいであるが、その内部は汚物だらけで見れたものではない。

白兵戦を行ったことでそこに血肉もある程度加わって、内部の凄惨さは酷い。

宇宙の海を征き、長時間変動の無い決まった人員達を押し込める閉鎖空間たる宇宙船は、

清潔さを保つのも非常に重要な事だ。

クルーの精神的なストレス、感染症などにも直に影響する。

それはコロニーも同じ。

宇宙に暮らす者は、伊達や酔狂で綺麗好きなわけじゃない。

そうしなければ命に関わるから清掃には気を使うのだ。

だが、その弊害というか、

そのように完璧にコントロールされた清潔空間で生まれ育つ人間…

つまりコロニー生まれコロニー育ちが人類の多数派になってくる事で、

記憶障害を負う前のクロノクルのように

地球の自然環境土の匂いや風に対して魅力を感じない世代が多くなり、

地球の魅力や価値が低下してしまうという思わぬ結果をも生んでいた。

 

「とはいえ、このスクイードは綺麗にしてやれば充分使えるぞ。

修理も少し必要だが、

リーンホースを解体してその資材を使えば船の魂という奴も受け継がれるんじゃないか?」

 

戦闘ダメージでボロくなったリーンホースの艦橋でオーティス老がそう提案すれば、

ゴメスは宇宙の海の男らしくそれを喜んだ。

 

「そいつはいい!リーンホースは形を変えて生きるってわけだ!

オーティスさん、あんた艦に生きる男のロマンってやつを分かってるな!」

 

艦長も喜んでいるのだから解体と修復は即座に行われる手筈が整って、

それらの作業によって多少の時間のロスとなるがそれは致し方ない事だった。

担当するのは
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