ラビアンローズでの獣の夜
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なる戦慄を味合わせられる。
「っ!うっ!!!」
「いぎっ!?た、隊長ぉ…っ!?」
青い顔で震える少年達。
ヤザンはむんずと、握り潰す勢いでウッソとオデロの股間を掴んでいた。
エリシャもシャクティも顔を赤くしつつショッキングなその様子を眺める。
「くく!いっちょ前にしやがって!…エリシャ、シャクティ!」
「は、はい」
「な、なんでしょうか…」
次は自分たちも何かされてしまうのだろうか。
好意を寄せる男の子の前で、
こういった野蛮な洗礼をされるのは清らかな乙女的に御免被りたい所だった。
だがヤザンは少女らには触れることなく、オデロ以上の悪童染みた悪い笑顔を浮かべた。
「貴様ら苦労するかもしれんなァ。こいつら、なかなかのモツを持ってやがる!」
「いぎっ!」
「う、うぁ!」
ははは、と笑いながらまたヤザンが少年達の股間を握り直せば
ウッソもオデロも悶絶しそうになる。
エリシャとシャクティは先程よりもっと頬を赤くして顔を伏せた。
少年らの股間を解放してやると2人はホッとした安堵の顔を見せ、
今度はトマーシュが顔を引き攣らせた。
ヤザンはトマーシュと肩を組み、そして顔を近づけて不敵に笑う。
「自分も股間掴みをされるのか」と
トマーシュは密かに股間に力を入れ備えるもそれは不要だったようだ。
「悪いなトマーシュ。あの女は俺が頂く」
「え…そ、それは…」
「女が欲しけりゃ強くなれ。弱い男は、獲物は全部掻っ攫われるぞ。覚えておけィ!」
失恋で落ち込んでいる暇があったら己を磨け。
ヤザンはそう言っているらしい。
「っ、は、はい」
トマーシュは、一見気丈に振る舞ってはいるが泣きたい気分であった。
生まれて初めて一目惚れをし、
そして勇気を振り絞って想いを伝えればキッパリと断られたばかりで傷心は免れない。
だが彼は、その暇もなく友人に慰められ、
そしてその慌ただしさのままにヤザンの強い言葉を掛けられて反射的に頷いていた。
「トマーシュ、お前は女を見る目はあるぜ。
ありゃ男次第でイイ女になる…まだ青い果実だがな。お前が惚れるだけはあるんだよ。
だから、お前も良い男になるんだな…そうすりゃイイ女が向こうから貴様に寄ってくるさ」
「そう、ですかね…」
「そうさ。自分を磨け、トマーシュ。
お前が望むなら今度、月でいい店に連れてってやってもいい」
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