ラビアンローズでの獣の夜
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だが、
不思議とヤザンは別腹になっているのは恋は盲目という事だろうか。
或いは、ヤザンのは浮気云々という次元ではなく、
野生の獣的な、動物世界のハーレムとでも認識して半ば諦めているのかもしれない。
「それはヤザンの性根が腐っているからよ。
私が矯正して、私しか見えないようにしてあげる。
…さっさとそいつら、追い払って」
子供達へ鋭い視線を向けてくるカテジナの迫力は、
先程キスを受けて蕩けていた女とはまるで別人だ。
以前までのカテジナならば、子供達によって興が削がれたとして
さっさと立ち去っていただろうが、今はヤザンとそういう事を致・そ・う・と決めてここに来たのだ。
つまり、正直言えばカテジナも疼いている。
機嫌の悪さを全面に出しながらも、ヤザンの部屋の扉を乱暴に閉めて籠もってしまった。
ヤザンが軽く溜息を吐き、
そしてわがままな愛猫を見るように笑ってからウッソ達へ向き直る。
「ったく、出歯亀やがって。まぁ戦場では殺し合いとセックスは日常茶飯事だ。
貴様らの年代なら尚更興味もあるか……後学の為に見物させてやっても良かったがな。
お姫様があの調子だ。悪いが見学会は中止だ、小僧ども」
なんなら参加させて手取り足取り教えてやって、
教え子を一人前の男にしてやっても良かったとすらヤザンは思ったのだが、
さすがにパートナーの許しもなく強行するような事はしない。
「あ、あはは…そ、そうっすよね」
オデロが作り笑いをしつつも、非常に残念無念な気配を立ち昇らせて頭を掻いた。
仮にヤザンの今回の夜の御相手が、
性にオープン過ぎる尻軽だったならばオデロとウッソ…
ひょっとしたらシャクティ達をも巻き込んでとんでもない事が起きたかもしれない。
ホッとしたような惜しいような、二律背反の思いが少年らの心に去来していた。
そんな少年達を見ながらヤザンが、そういえば…と切り出す。
「…いいか!避妊はしろよ。特にウッソ!」
「えっ!は、はい!」
思わずウッソは一歩飛び出して敬礼でもしそうな返事を大声で返す。
「シャクティはまだ11歳だ!万が一妊娠したら母体が危険になる。分かるな!?」
「はい!!」
ウッソと、そして巻き込まれたシャクティも首まで紅くする。
「オデロ、貴様もだ。前に出ろ!」
「は、はいぃぃ!」
ヤザンに威勢よく呼ばれ、ウッソのように飛び出して背筋を伸ばした。
そして更に一歩近寄ってきたヤザンに、ウッソとオデロはさら
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