ラビアンローズでの獣の夜
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と個性が出る。
一瞬、痛みを耐えるように鼻をさすりながらも、その手を口に持っていき皆に沈黙を促し、
オデロが廊下の向こうを指差した。
「んん?」と男子2名が顔を覗かせ、そしてちゃっかり女子3人も足早に駆け寄って参加。
そして衝撃の光景を少年少女らは目にする。
それは、ある意味で見たいと密かに望んでいた光景だった。
「っ!!!」
「…ぇ!?」
「うわぁ…っ」
「す、すごい…」
「あれが…大人のキス…なんだ」
壁に押し付けられたカテジナが、
背の高いワイルドな風貌の男に唇を奪われている。
無論、ヤザン・ゲーブルがその御相手だ。
皆、覗き見は良くないと理解しているのだが視線が釘付けになってしまう。
顔を紅潮させ呼吸も荒くなるが、バレぬようにその呼吸さえも押し殺そうと皆必死だった。
普段は強気で誰もがおっかなびっくりに触れる棘の美女が、
男に組み敷かれ為す術もないように唇を貪られている光景は
思春期の少年少女達には刺激的過ぎた。
ごくり、とエリシャとマルチナの姉妹が喉を鳴らせる。
シャクティもだ。
そして3人の少女の顔の側には、共に覗く共犯者である少年の顔がある。
エリシャの側にオデロ。
マルチナにはウォレン。
シャクティにはウッソ。
最近はエリシャもオデロが自分に好意を寄せてくれている事を意識し始めていたから、
この場面はかなり興奮を伴った。
そして言い寄るウォレンを袖にし続けていたマルチナでさえ、
興奮した空気にあてられ初めてウォレンを異性として意識してしまっていたのは、
ウォレンにとっては思わぬ棚ぼただろう。
シャクティは言わずもがな。
後・々・の・参・考・の・為・に、少女達は食い入るように大人のキスに魅入っていた。
耳を澄ませば粘液が擦れ合う音までが廊下に微かに響く。
そしてその合間にカテジナの鼻にかかった吐息までが聞こえる。
「あ、あのウーイッグのカテジナが…あんなふうになっちまうのか…」
普段は、あんなおっかない女有り得ない等と言いふらすオデロでさえも、
今のカテジナの色香にはあてられる。
「カテジナさん、腕抑えられてるけど…あれって無理矢理、なのかしら…。
と、止めたほうが…いい?」
「でも、あんまり嫌がっている顔には見えない、けれど」
エリシャの疑問にシャクティは小さな心臓を高鳴らせながら何とか答える。
次の瞬間、ヤザンはカテジナを掻き抱くようにして引き寄せ、
そのまま乱雑に己の部屋へ
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