ラビアンローズでの獣の夜
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部屋へ帰ろうという空気だったのだが…。
「ところでなんでカテジナさんはこんなとこにいたんだろう」
ウォレンが素朴な疑問を投げかけて、オデロとウッソはハッと気付く。
「確かに変だな。カテジナさんの部屋って…シュラク隊の人達の隣だったよな?」
「…そうだね。T字路を挟んで向こう側がおねえさん達。こっち側には…僕らの部屋と…」
ウッソの言葉を、まるで思考が読めるかのようにシャクティが引き継いだ。
「もっと向こうに行けばオリファーさんとヤザンさんの部屋…」
「あれ?カテジナさん、あっちの男部屋の方に歩いてったよね?」
またまたウォレンの素朴な疑問。素朴故に爆弾を投げかけてしまう。
その時点で、ウッソは少し顔を赤くした。
いつぞやの、宇宙引越公社ジブラルタル局での、
シュラク隊とヤザンの一幕の生・の・声・を聞いてしまったのを思い出したからだ。
だからその話題を逸らすように言った。
「も、もういいんじゃない?
カテジナさんだってパイロットの仕事でオリファーさんと話でもあるんじゃないかな?
さっ、もう皆帰ろ――」
皆を部屋に引き上げさせようとした時には、
オデロが悪童の笑みを満面に浮かべて旧世紀の泥棒のように忍んで駆け出していた。
「オデロ!」
「だって気になるだろー!?」
ウッソとトマーシュが飛びかかりオデロを羽交い締める。
「人のプライバシーを堂々と覗こうとするんじゃない!
僕のことは許しても、彼女にそんなことしたら許さないからな」
「そんな事言っちゃって〜。お前だって気になってンだろ!?
興味津々だろ?カテジナさん、性格はあれだけど見た目はイイもんなぁ〜。
今頃、ヤザン隊長の部屋で…にひひ」
オデロの、健全な青少年であるが故のトマーシュの心の隙をつく巧妙な悪の誘惑。
トマーシュの手が一瞬緩んだ。
その隙を逃すことなくオデロが駆け出す。
「しまった…!」
「うわっ!ま、まったく…オデロってこんな時ばっかりヤル気だして!」
慌てて追う2人だが、ターゲットのオデロは廊下の角を曲がった次の瞬間に…
「な!?戻ってきた!?」
「えぇ!?」
とんぼ返りで戻ってきたのだ。当然、衝突して3人はずっこける。
賑やかな男子3人を、クランスキー姉妹とシャクティの女子3人がやや冷めた目で見たが、
ウォレンとカレルは慌てながらもマイペースに全員の後に続くのみと色々
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