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ヤザン・リガミリティア
ラビアンローズでの獣の夜
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一目で「そういう気なのだ…」と教えてくれる。

 

「あ、あれって…兄さん…ひょっとしてカテジナさんを?」

 

「おい声をもっと小さく!気づかれちまうだろ…!」

 

「うわぁ〜…あの真面目なトマーシュが?信じらんないけど…

でも、確かにハイランドじゃあんなお嬢様ってタイプいなかったし…

トマーシュの趣味ってああゆーのなんだ」

 

カレル、オデロ、エリシャが興味津々に覗きつつ感想を漏らす。

ウッソとシャクティは「こんなの良くないよ」とか「良くないと思う」とか言いつつも、

やはり彼らと一緒に陰からトマーシュの恋の行方を見守っている。

 

「トマーシュが持ってるアレ…ラビアンローズの売店で売ってたスノードームだ」

 

「あっ…あれ私も欲しかった奴だ。可愛いのよね」

 

「…エ、エリシャさんはあんな感じのが好きなんですか?

お、俺で良ければ買ってあげれるけど!?」

 

「え?オデロ君が?でも…あれ結構な値段してたし…悪いわ」

 

「ちょっとオデロもエリシャさんも声が大きいよ…!見つかっちゃうじゃないか…!」

 

「わ、悪ィ」

 

「う…ごめんねウッソくん」

 

最近、ほんの少しだけ良い雰囲気になってきているエリシャとオデロを嗜めるウッソ。

さっきと立場が逆転しているし、それにウッソも結構ノリノリのようだ。

無理もない。

なにせ友人のトマーシュが狙う女性は、

カサレリアに隠れ住んでいた頃からの初恋であり憧れの令嬢なのだから。

それに実はウッソ少年には人にあまり言えない趣味…

ウーイッグ時代のカテジナを盗撮するというやや危ない趣味があり、覗き魔の才能はある。

もっと正当な理由を言えば…何よりも現在のウッソにとってカテジナ・ルースという人は

『尊敬する人』の恋人になるべき人だという認識だった。

あの人とカテジナという組み合わせだからこそ、

ウッソはカテジナへの想いを断ち切って素直に彼女の恋路を応援する気になれたのだ。

加えて、共に戦ってきてカテジナ・ルースがただのお嬢様でない事も分かってきた今、

トマーシュではカテジナを御しきれないだろうとも容易に予想できた。

温厚で誠実な人よりも、強引なまでの男らしさで捻じ伏せる…

それぐらいがあの女性には丁度いいし幸せになれるのだと頭の良いウッソには理解できる。

ニュータイプ的な感に頼らずとも分かる事だった。

 

「あ…」

 

シャクティがそ・れ・を見て呟く。進展があったようだ。

トマーシュの差し出した小綺麗なスノードームを、

カテジナはソッ
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