魔獣の牙の折れる時
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ンもオイ・ニュングもそれを咎めはしない。
寧ろ、ここまで碌な補給も休養もなく、常に最前線で命を張っていたのだから、
この程度許されなければ嘘だろう。
皆、一様に「都会で遊べる!」「命の洗濯だ!」「貯まったクレジット使い果たすぞ!」
等と大騒ぎをするのだった。
マーベットもオリファーをヤザンから取り返して手を持って共に喜んでいるが…。
「あれ?」
しかしオリファーは2年以上も付き合っている恋人だからパートナーの様子に気付き尋ねた。
「どうしたマーベット。半舷上陸だというのに随分控え目な喜び方じゃないか」
「だって、ねぇ…セント・ジョセフって事はあの人がいるでしょ?」
マーベットは苦笑いを返し、少し言い淀む。
「あの人…あぁ、先輩か」
そして思い至ってオリファーも同じような顔になった。
シュラク隊にもみくちゃのされて共に喜び、
今はシュラク隊がヤザンに向かってカテジナと取り合いを始めた為に解放されたウッソが、
意味有りげに苦笑う二人へ興味を抱く。
「お二人にも苦手な方がいるんですね」
「あぁウッソ。うーん…そうね…悪い人じゃないんだけど。ちょっと過激というか」
困った顔のマーベットが、その者をどう評したものか迷っているようだ。
「どんな方なんです?」
温厚で常識人なマーベットが少し苦手という人物にウッソは逆に興味が湧き更に聞くと、
今度はオリファーが、やはり少し困った顔で言ってくれる。
「そうだなぁ。…技術者として超一流だよ。リガ・ミリティアのMS開発には全部一枚噛んでる。
あと、それ以外にも破壊工作とか…
俺達リガ・ミリティアがゲリラ屋とかテロリストって言われる所以ここにあり!って人だな」
「テロリスト…ってなんだか物騒な人ですね」
「実際、そういうちょっと過激な人だ。
ウッソもセント・ジョセフの工場に着いたら注意した方がいいな」
「ヤザンさんよりも過激なんですか?」
やや心配そうにウッソが言えば、マーベットとオリファーはプッと軽く吹き出した。
「ある意味そうだな。
ヤザン隊長に真正面から噛みつける女性はあの人ぐらいじゃないか?」
ウッソの顔がさらに神妙となる。
そして恐る恐るその名を尋ねれば…。
「うわぁ…僕も気をつけます。なんて方なんです?」
「ミューラ・ミゲルという人だよ」
「…ミューラ?…え?」
ウッソは言葉
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