魔獣の牙の折れる時
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たデータから判明したそいつの名はコンティオ。
状態の良いパーツを拾い集めたとはいえ、
そこからコンティオを組み立てられると豪語するストライカー率いる整備陣は、
さすが節操なく何でもやってみせるリガ・ミリティアの誇る凄腕整備班だ。
敵の兵器は自分のもの、と言わんばかりである。
ヤザンがリガ・ミリティアに参加してからそういう事への貪欲さが、
他のメンバーにも伝搬したようにも見える。
「あいつらか…悪くなかったが…」
桃色のハサミを振り回す敵新型を思い出せば、まぁまぁの敵だったという印象が蘇っていた。
アビゴルと比べると目劣りするかもしれないが、
それでも今更Vタイプに乗るよりはマシかもしれないとヤザンは思う。
「シャッコーはどうなの?」
ヤザンの横で話しを聞いていたカテジナもそこに交じって言った。
ストライカーはやはり難しい顔だ。
「シャッコーもきついな。
フレームは丸ごと無傷なんだが、傷んだパーツをイージーので代用しているからな。
純正品が無いから段々とカタログスペックが発揮できなくなっている。
設備のあるところでオーバーホールして…こっちの系列のパーツに組み直したい所だ」
そう、と小さい声でカテジナも顔を曇らせた。
問題は多い。
総隊長のヤザンも、激戦を制したものの部隊の有様には決して楽観視出来ない。
「隊長、やはり月で補給と休養、取らせちゃもらえませんかね」
オリファーが腕を組みながら提案をする。
ヤザンもそうしたいのは山々だ。
「だが敵は待っちゃくれんぞ。うちら以外にも前線を支えられる戦力があればな…。
交代して休ませて貰いたいがそうも言ってられんだろう」
自分達の置かれている状況は良いものではない。
勝っても勝ってもこっちはジリ貧だ。
マーベットもポツリと言った。
「せめて、連邦軍が動いてくれれば…」
その言葉を聞いてウッソが素直に疑問を呈する。
「ムバラク艦隊ってのが、動いてくれているんじゃなかったんですか?」
「動いているが、サイド2周辺での偵察に終始している。
ムバラク・スターンって人はさすが名将と呼ばれるだけあって慎重だよ。
まっ、考えなしに突っ込まれて各個撃破されるよりいいんだけど…
もうちょい積極的に動いて欲しいよな」
オリファーがウッソに答えつつも不満を滲ませる。
ジュンコも同意の不満だったようで、その言葉を継いで言った。
だがその不満は恐らくリガ・ミリティア全員の共
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