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ヤザン・リガミリティア
魔獣の牙の折れる時
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いと証明されたと皆思っている。

眠れる巨人は眠ったままであった。

 

まともに帝国に太刀打ち出来、かつ積極的に動く勢力はやはりリガ・ミリティアだけ。

そのリガ・ミリティアも、連戦連勝とはいえ無傷ではない。

特にカイラスギリー戦では少なくないMSを失い、主力パイロット達も多数負傷した。

 

「カイラスギリーな…すぐには撃てんぞ。修理が必要だな、こりゃ」

 

とはロメロ爺さんの言葉。

カイラスギリーの砲撃を頼りにしていた感のあるリガ・ミリティアとしてはこれは手痛いが、

しかし修理すれば使えるのだし、砲撃能力を喪失していても宇宙要塞としての機能はある。

 

「だがこのカイラスギリーは基地としても素晴らしい。

月の同志とも連携が取りやすくなるし、ここは一大拠点になれる」

 

オイ・ニュング伯爵はカイラスギリー要塞をリガ・ミリティアの最前線基地とする事を決定。

基地機能の拡張も、リガ・ミリティアの手によって積極的に行われる事になるが、

それと平行して必ずやらなければならないのが主力の立て直しであった。

 

「アビゴルもシャッコーも、ここまでダメージを受けたらリペアにはパーツが丸ごと必要です。

ザンスカールMSの規格は主にサナリィ系ですから、

簡単な修理なら我々でも出来ますが、パーツ交換となると…」

 

メカマンのリーダーをやっているストライカーが渋い顔で言うと、

ヤザン達パイロットの顔も曇る。

無理を承知で、ヤザンはまたストライカーへ嘆願する。

 

「正直、ヴィクトリーやガンイージよりも良いMSなんだ。

特に俺と相性がいい。何とかならんか」

 

何度かVタイプやイージータイプにも乗った事はある。

ガンイージのテストにはヤザンも参加していたのだから当然だ。

悪くないMSだが、それでもザンスカール製の方が洗練されていて、

何よりもヤザンの嗜好に合致し、痒い所に手が届くMSなのは皮肉にも敵のMSだった。

ストライカーも、リガ・ミリティアの要であり、尊敬するパイロットの要望は叶えてやりたい。

しかし、やはり無い袖は振れない。

 

「戦場で、出来るだけベスパのMSのデブリは拾ってるんです。

そこから使えそうなのをパーツ取りはしてますが…」

 

「難しいか?」

 

「ええ…そうなります。

特にアビゴルは大型の特殊機ですから…ゾロアットの残骸からパーツ取りが出来ません。

一応、今回確認された敵の新型の残骸は一式拾えましたから

あのピンクのカニMSは復元出来そうですがね」

 

回収した残骸から引き出し
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