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ヤザン・リガミリティア
宇宙の魔獣・カイラスギリー その6
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ヤザンがリガ・ミリティアにいる   作:さらさらへそヘアー

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宇宙の魔獣・カイラスギリー その6

タシロは戦況の推移を一見冷静な風体で見守っていた。

しかしその冷静さはどこか見下すように冷たい雰囲気を醸し出しており、

冷静沈着というよりは冷酷非情の指揮官という印象を皆に与えてしまっている。

 

(私は負けるわけがない。そんな事はありえんのだ。

リガ・ミリティアの倍の艦隊。強力無比な要塞。そして、ファラ・グリフォン。

これで負けるなどと………あるわけがないのだ)

 

タシロの独白は、冷静に己の状況を顧みての自信というのとは少し違う。

それはまるで自分に言い聞かせるようなモノであった。

 

タシロ・ヴァゴはザンスカール帝国においては非常に貴重な軍団指揮者だ。

大佐という階級であるが、帝国の軍事面において実質No.2である。

現代は、宇宙戦国時代とは呼ばれる混沌の時代で、

各コロニー群サイドが連邦の枠組みから勝手に独立し、自治化。

そしてそれぞれが軍備を整え目先の利益を求め小競り合いを繰り返す有様である。

戦力を纏めて軍団とし、それを指揮し、

大局的な動きでもって隣国を制する事が出来る組織は殆どいない。

皮肉にもギロチンのザンスカールだけがそれが出来ていたのだ。

惰弱を極める連邦政府と連邦軍には出来ない事をザンスカールは成せていたからこそ、

ザンスカールはわずか2年でここまで強力な帝国となっていたのだった。

フォンセ・カガチの優れた政治的才覚、ムッターマ・ズガンの軍事的才能、

そしてマリア・ピァ・アーモニアのカリスマが結びいたからこその成果で、

そこには恐怖政治と胡散臭い神権政治がチラついていたが、

確かに民衆の熱狂的支持もあるのだ。

 

建国の立役者の一人、ムッターマ・ズガンは、

宇宙戦国時代において希少となってしまった優秀な将軍軍事的指導者であった。

そして、このタシロ・ヴァゴもまた希少な将軍であり、

ザンスカール帝国がサイド2周辺の反発勢力を抑えつつ

地上侵攻にも乗り出せたのはズガンとタシロの双璧がいたからだった。

 

俗にシャアの反乱≠ニ呼ばれる騒乱終結以後、

シャア・アズナブルを最後にして、連邦軍からも反抗組織からも、

多くの将兵を纏めて組織的に運
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