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ヤザン・リガミリティア
宇宙の魔獣・カイラスギリー その6
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的に貴様に罰を与えてやる」

 

「は…?な、なによそれ?私はきちんとオリファーを言い負かしてやったんだから!」

 

だから命令違反ではないという事らしい。

 

「リガ・ミリティアは正規軍じゃないからある程度自由は利く…だがなァ!

総隊長の俺や、副隊長のオリファーに戦場で逆らうのはご法度なんだよ。

そんなのが繰り返されたら戦場での連携も作戦も無くなるだろうが」

 

「私が来なかったらヤザンが死んでいたかもしれないのよ!?」

 

「だからその功績も考慮してやるさ」

 

「…じゃあどんな罰だというの?」

 

「今晩は優しくは抱いてやらん…というのはどうだ?ハハハハ!」

 

「っ、ま、またそうやって人を馬鹿にする…!」

 

今回の戦闘はヤザンでさえ肝が冷える場面が幾らかあった。

こうして部下と軽口を叩く時が、ヤザンにとって一番安らぐ時でもある。

だが、贅沢を言えばここで軽口叩きあう部下や仲間はやはり男がいいとヤザンは思うのだ。

女も悪くはない。

良い女を欲するのは男の本能で、そういう女を抱けば男としての充足が得られる。

しかしヤザンにとって、やはり心の底から肩を抱き合う仲間は男であって欲しかった。

女と男ではどうしてもセクシャルな問題が良くも悪くも間に横たわって、

それがヤザンの求める仲間意識に一点、汚れを垂らす。

男同士女同士の恋愛も時折あるにはあるが、それはレアケースでまた別の話に過ぎない。

そういった価値観はもうヤザンという人間の感性の問題で、

男同士で馬鹿な話をツマミに酒で盛り上がりたいと思うのと似ているかもしれない。

 

「…光だ」

 

「ええ。…ウッソ達が上手くやったみたい」

 

アビゴルのバックモニターに、

断末魔のように白い光の柱を吹き上げたカイラスギリーが映っている。

誰もいはしない虚空に、溜めきった憎悪の破壊光を吐き出して、

いくつもの爆光に包まれていくカイラスギリー。

恐らく、オリファー達の攻撃によって暴発を誘発されたのだろう。

巨大砲台というのは見た目に反して繊細な兵器だから、

些細な攻撃でそういう事も起こり得る。

 

あの幾つもの爆発光はカイラスギリーそのものの爆発か、或いは近縁の艦船の爆発か。

何れにせよ、本隊が陣取っていたであろう場であの規模の爆発が起きているのなら、

もうこの戦いは完全に決まったようなものだろう。

 

「ウッソかオリファーか、マーベットか…。今回はあいつらが大金星だな」

 

ビッグキャノン阻止を堅実に達成させた功労者の部下を
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