宇宙の魔獣・カイラスギリー その6
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そして追い払った敵に等もう興味がないとばかりに
脇目も振らず破損著しいアビゴルへ寄った。
「カテジナ…貴様、ビッグキャノン叩きはどうした」
そうヤザンに言われるも、カテジナは予想していたとばかりに胸を張って答える。
「そっちはウッソ達がやっているわ。今頃、ビッグキャノンに取り付いている筈よ」
「なるほどな。通りで敵さん、慌てて逃げていったわけだ。
その様子なら、オリファーとマーベットは予定通り合流できたようだな」
「ええ、予定外はあなたの合流失敗だけよ」
カテジナのその言葉に少々棘がある。
ヤザンは苦笑した。
「許せ。戦場は予定外だらけなんだよ」
「だから!そんな女捨てておけばよかったのに!」
既にシャッコーの接触センサーでアビゴルの機内の様子はある程度認識している。
コクピット内に二人分の人間大の熱源があるのは分かっているから、
ペギー救出は成功したのだろうとは予想できた。
その上でカテジナは批判しているのだった。
実際、ペギーが死んでいたら
流石の彼女もその件については内心でどうあれ口を噤んだだろう。
またヤザンは口の中で小さく笑う。
「オリファーにさぞわがままを言ったんだろう?
単独で俺を捜索するなどという無茶だ…半ば命令違反か?」
「最後にはきちんと納得させた。問題ないわ」
「フッ…まぁいい。今回ばかりはお前の跳ねっ返りに助けられた」
会話をしながらもシャッコーの手を動かし続けるカテジナ。
両足も喪失し、背部スラスターも半分死んでいるアビゴルは、
既に自力移動が困難となりつつあるからシャッコーの手助けがあるとありがたい。
なにせ推進剤もビーム縮退メガ粒子もすっからかんなのだ。
とはいえシャッコーもまた短時間ながらゲンガオゾと激しく撃ち合い、
既に機体はガタガタではあるものの、それでもアビゴルよりはましであった。
「ふふん…そうよ。そういう風に素直に感謝できるのは良い事よね」
声だけでいい気になっているのがありありと伝わる。
シャッコーに抱えられながら、アビゴルの中でヤザンは、
肩で息をし意識を朦朧とさせているペギーをようやく労ってやれていた。
息はまだある。
母艦で治療を受ければ、直様の復帰は難しいだろうが死にはしないだろう。
秘かに安堵し、カテジナへも釘を刺しておくのを忘れない。
「カテジナ、だがオリファーの命令にどうせ頑なに抵抗したんだろうから
俺が個人
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