宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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起動した巨大衛星砲の破壊
それを成功させなければ、どう転んでもリガ・ミリティアは致命傷を被る。
そして一度致命傷を負ったら民兵組織であるリガ・ミリティアはもう立ち直れない。
横流し行為による支援と補給では回復力には限りがある。
巨大なスポンサーは存在しているが彼らはあくまで陰ながらの提供者であり、
表立って湯水の如く支援は出来ない。
それをしてしまえばザンスカールが彼らの尻尾を握って堂々と報復・粛清行為に及び、
スポンサー達は皆ギロチン送りになってしまうだろう。
だから巨大衛星砲は止めなければならないし、
それを成功させる可能性を1%でも上げるためにヤザンは少しでも敵を減らす。
「行きがけの駄賃だ!墜ちなァ!」
アビゴルの側面腕部と背中からヒ・レ・が飛び出し、
メガ粒子のカッターが鋭く撃ち出される。
行く手を阻むゾロアットが2機、コクピットにメガ粒子カッターをめり込ませて沈黙した。
その戦闘行為はまさに行きがけの駄賃だ。
ウッソが示した方向へ脇目も振らず邁進し、その進路上の敵だけをヤザンは攻撃している。
(…チッ、大分ベスパの方に流されている…!)
結果的にヤザンは単騎で敵陣に深く切り込む形となってしまい、
とうとう突出気味のカリスト級巡洋艦までがアビゴルの射程圏内となっていた。
ザンスカール軍は1機で突撃してきたアビゴルに集中的に攻撃を加えてきている。
自分達が舐められているという思いもあって、
ただ1機に自陣で暴れられて無事逃げおおせられたとなればそれこそ沽券に関わる。
しかもそれをしているのはどう見てもザンスカールの特徴を有するMSなのだ。
リガ・ミリティアの手癖の悪さは既にベスパ全体の良く知る所で、
奪われたMSにそのような好き勝手を許せば己らの士気にも大きく影響するだろうから、
彼らのアビゴルへの攻撃は熾烈であった。
絶え間なくアラートを告げるセンサーの輝きが反射し、ヤザンの目を薄い朱で彩る。
半分はそのセンサーを頼りに、そして残りの半分は気配勘≠頼りにして
ヤザンはアビゴルの速度を落とすことなく全身のアポジをフルに活用し砲撃を避け続ける。
――Beep!Beep!Beep!
けたたましい電子音がアビゴルのバイオコンピュータから響き続けてヤザンをイラつかせた。
「うるさいんだよ!コイツは!」
警告を発してくれるコンピューターへ理不尽に怒鳴りつけながらも、
操縦レバーとフットペダルに神経を集中させる。
嗅覚を研ぎ澄ませる。
頼
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