宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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2週間が私達の2年間と同じという事…。
これが、私達がオールドって事なのかしらね…)
「ベスパの動きは頑なね…奴ら、ビッグキャノンの射線から逃れる算段があるのかしら…?」
自分も若いと思っていたが更に若くどこまでも伸びる若々しい才気に、
大きな期待と少しの妬ましさを覚えつつもマーベットは思考を重大作戦へと向ける。
ベスパがキャノンの同士討ちを恐れていない理由を探るよりも、
いち早くヤザンの待つSフィールドへ向かうのが先決だと、
そうマーベットは思い直し操縦レバーを握る手に力を込めた。
1機のゾロアットがオリファーのライフルに撃ち抜かれる。
3機のゾロアットがウッソのスマートガンに纏めて葬られ、
続けて回り込もうとした1機がビームシールドにざっくりと胴を抉られて爆発。
1機のゾロアットがマーベットにコクピットを鋼鉄の拳で潰される。
ゾロアットがシャッコーに蹴り飛ばされ、
纏められた所に肩部ビームガンを撃ち込まれ巻き込み2機、爆散。
襲い来るゾロアットを何度も何度も返り討ちにし、4機のMSは快進撃を続けていった。
あと僅かで合流ポイントに到着する。
何の問題も無くSフィールドに着き、そこでアビゴルと合流する予定だったのだ。
しかし、何事も予定通り行くとは限らない。
アビゴルの姿はそこに無かった。
フィールド上のどこを索敵しても、誰のセンサーにも引っかかる物は無かった。
「ヤ、ヤザンさん…!」
ウッソは必死になってモニターに写るあらゆるデータに目を通す。
見落とした熱源はないか。
見落とした動体反応はないか。
しかし見落としなど何処にも無かった。
ここは戦場だった。
常に予想外が起き得る、命と死が交差する領域であった。
「い、いない…?ヤザン…!どういうことなのよ!ヤザン!!」
カテジナの震えた叫びが、シャッコーのコクピット内に虚しく木霊した。
◇
甲虫を思わせる巨大なフォルム。
緑色の大型MSアビゴルが、高速巡航形態となって戦場を疾駆する。
目的は漂流する部下の回収であるが、それが成功しても失敗しても
直ちに成さなければならない重大ミッションが緊急に発生した。
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