宇宙の魔獣・カイラスギリー その4
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カテジナが瞬き続ける光球達の向こう側に鎮座する巨大衛星を見て違和感を得る。
ペギーの事で頭がいっぱいのウッソは、
シャクティの声≠受け取る事すら気もそぞろで出来ておらず、
結果的にウッソよりもカテジナは早く違和感を感じていたのだ。
やはりこの少女にもまた宇宙時代に適応した才能が目覚めかけているらしい。
ここもまたウッソと同じ可能性を持ったスペシャルと言えた。
ヤザンへカテジナは答える。
「ヤザン、衛星が…動いている!」
「なんだとォ?まだあれは未完成で……いや、光だと?稼働してやがるのか!?」
「ほ、本当だ…何か、すごく嫌なものを感じる…!
恐ろしい悪意の塊…!あの、ピリピリした重圧は…アレから…!?」
ヤザンも遠目に、巨大な物の怪が身に纏う淡い光を見た。
そしてウッソは目ではなく、その暴虐の光が溜め込み始めて憎悪を感じ取っていた。
巨大な2基の粒子加速器と、長大な槍のようにも見える砲身に薄っすらと光の線が走る。
衛星砲が纏い始めた光の線は、粒子加速器から砲身へと次から次に伸びていき、
まるでエネルギーを砲身に送り届けるように見えるのだ。
その時ウッソが言った。
「ヤザンさん!リーンホースからの信号弾ですよ!
リーンホースへ退けって…?やっぱりビッグキャノンの事!?」
信号弾だけでは細かい伝達は出来ない。
発光パターンが告げるのは母艦への緊急退避の言葉だけだが、
それを今の状況で聞かされればどういう判断になるかは明白だ。
「使おうというのか!?まだ味方が戦っているんだぞ!」
残弾が万全ならこのまま突撃し破壊を試みても良いが、今はヤザン隊も消耗してしまった。
舌打ちをしつつヤザンがアビゴルを変形させ、
ウッソとカテジナを背びれに掴まらせて一端戦場を離脱…
しようと思った時、ウッソがまた口を開く。
ニュータイプ的な感性が口を開かせていたらしい。
「…っ!ペギーさん!?ヤザンさん、今ペギーさんの声が!」
「なに?…聞こえたのか?俺の方は何も拾っとらんが…カテジナはどうか」
「いえ、通信は拾えていないわ。
第一、こんなミノフスキー粒子が撒かれた状態じゃ無理に決まってる」
確かにそうだ。
そんな事はベテラン兵であるヤザンどころか、宇宙世紀に生きる者全員の常識と言える。
だから戦闘が終わるのを待って後、
ミノフスキー濃度が下がってから救助信号を探すのが常の動きでもある。
だがウッソは違うと尚も言う。
「
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