宇宙の魔獣・カイラスギリー その4
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「弾切れ!?こんな時に……っ、エネルギーCAPもダメなの!?」
必死にコンソールを叩くウッソだが、
何をどうしても縮退ミノフスキー粒子は底を付いてしまっている。
モニターのデータ群を見れば既に冷却材から推進剤までがイエローゾーンであり、
それもレッドゾーンすれすれの所に突入していた。
無いものねだりをしようと、無い袖は振れないのだ。
「っ!こちらもだわ」
それは似たようなエネルギーゲインのシャッコーも同様だった。
それにウッソは激昂した為に弾薬の消費が激しくて、
カテジナの方は苛烈な性格がMSの操作にも顕れており、
弾薬消費やMSの関節疲労が通常より割増であった。
シャッコーのビームライフルの砲身などは爛れ始めている程だった。
その一方でヤザンはというと、激しい性格と戦いぶりがイメージであるが、
思ったよりも戦い方はクレバーなものである。
相手の弱みを素早く見つけ攻めたり、引き際を弁えたり、と冷静さを失わなず、
激しさの中にも常に冷静さが同居した戦士であった。
グリプス戦役時には彼も乱射癖があったが、
それも補給乏しいリガ・ミリティアで矯正されていたりと…、
ヤザン・ゲーブルは弛まぬ練磨によってパイロット技量の低下した現代戦であっても、
腕を鈍らせる事無く技量を向上させて臨んでいる。
おまけにアビゴルのジェネレーターパワーはVガンダム達のおよそ1.5倍。
節約してメガ粒子を撃っていればその分長く戦えた。
「貴様らはバラ撒き過ぎだ。仕方あるまい…退くぞ!」
ヤザンの言葉にウッソは悲壮な顔となる。
「そんな…!まだ、ペギーさんが!」
「MSも人も消耗したまま探索と戦闘を同時にしちゃあ二次遭難が起きる。
残念だがしょうがない」
「そうですけど…でも!ペギーさんが間に合わなくなって――!」
「だから尻に帆を掛けてリーンホースに帰るんだよ。
補給が済んだらすぐに再出撃だ!分かったな!」
「…っ、は、はい!」
ヤザンも強い口調で強気を見せてはいるが、
あれだけ手塩にかけて育てた部下ペギーを見捨てたくは無い。
ペギーの生命維持装置がどれだけ持つかも分からない今、
焦りは人並みにあるがそれはおくびにも出さない。
それが指揮官という人種であると彼は理解していた。
これ以上ゾロアットが現れる前にさっさと帰還しようと3機がした時、事態は急転する。
「…?あれは…力…?力を溜め込んでいるの?」
「どうした?!」
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