宇宙の魔獣・カイラスギリー その4
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いる」
「撃てる状態ではあるという事か…しかし乱戦になってンですよ?
とてもあんな大砲撃てんでしょう。味方ごと吹き飛ばしちまう」
「ゴメス艦長…敵はギロチンのザンスカールだ。奴らは味方ごと敵を撃つ…そういう連中だよ」
オイ・ニュングの見解に、またゴメスは唸った。
「…撃ちますかね?」
「そう見るのが妥当だろう」
伯爵の見解にゴメスは舌打ちをし、そして偽ジャハナムはまた青い顔で背を丸めている。
オイ・ニュングが小さな肩を震わす少女へ優しく声をかけ労う。
「…しかし、シャクティさん、良く気付いてくれた。
この後は大人の仕事だ。ウッソ君の為にも、全力を尽くす。
だから今は、さぁ部屋に戻って…あぁ、ノーマルスーツは着なさい」
最後に、万が一の為だよ、と付け足してやると、
シャクティとクロノクルは艦橋スタッフに連れられようやく艦橋から出ていってくれたが、
伯爵は改めてシャクティのニュータイプの素養を確信し驚嘆と感謝の念を彼女へ送る。
(…女王マリアの娘、か。
やはりヒーリングのマリア≠フ異能は、彼女に受け継がれているのかもしれない)
ニュータイプがヒーリングまで出来るのか…そんな論は今までの時代で出た記録は無いが、
オールドタイプが進化したのがニュータイプならば、
ニュータイプもまた進化し次の段階を示してもおかしくはない。
人はニュータイプの次の段階へ目覚め始めているのではないか…
そうオイ・ニュングは思ったが今はそんな事を論ずる時でも無いし考える時でもない。
気を引き締め直した伯爵の横で、ゴメスが矢継ぎ早に大声で言い出す。
「MS隊に気付かせなきゃならんぞ!信号弾、放て!
艦に残ってるMSを伝令に出してガウンランドに知らせろ!
うちらが一番早く気付いたろうからな!」
「パイロットがいませんよ!」
通信士の誰かがそう叫んだがゴメスは歯牙にもかけない。
「メッセンジャーボーイをやらせるだけなんだ!動かせる奴なら誰でもいい!
手が空いてる奴にやらせりゃいいだろ!」
ゴメスの野太い声が艦橋中に響いて、
否が応でも戦況がまだ余談を許さぬのだという事を偽ジャハナムは理解できてしまう。
「あぁ…あんなデカイ大砲撃たれたら…こんなオンボロ艦は…終わりだぁ…!
な、なぁ、伯爵!大丈夫だよな…?我らにはヤザン隊がいるんだ…。
きっとビッグキャノンも発射前に仕留めてくれる…そうだよな?」
「…あぁ、きっと…そうだ
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