宇宙の魔獣・カイラスギリー その4
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ィは僕よりも勘が鋭いんです」という言葉も同時に思い出される。
「何か見えたのか!教えてくれシャクティさん!
君が正確に感じたものの正体を言ってくれないと、皆を…ウッソ君を守れないぞ!」
伯爵が小さな肩を揺すり、
カルルマンの首までガクガクと揺れそうになって慌ててクロノクルが姉の背から赤子を奪う。
カルルを抱いてあやすクロノクルの横で、
シャクティは懸命に正気を保って大モニターを指差した。
「あれです…あれが、恐ろしい事をしようと…!」
大モニターに映るのはザンスカールの巨大衛星砲。
ネスが小さい声で「そりゃ確かに完成したら恐ろしい事するだろうけど」等と言っているが、
きっとそういう事ではないのだろうとオイ・ニュングは理解する。
(スペシャルのウッソ君が、自分以上だというシャクティさんがこう言うのだ。
絶対に何かある………もしや、もしや…ビッグキャノンは…)
「ゴメス艦長、ビッグキャノンの映像をより拡大できるかね?」
「…おい、ズームだ!」
オイ・ニュングに返事をするより早く部下に命を飛ばせば、
カイラスギリーがより精細にモニターに映し出されて、
巨大な粒子加速器から砲身へカメラがゆっくり移動していき…そしてゴメスが気付く。
粒子加速器に微かな光が灯り、
その光がカイラスギリーの化け物染みた機構を伝って砲身へと注がれていたのだ。
それはここまで望遠カメラを拡大しなければ気付け無い程に淡い光であり、
しかもそこまでの拡大映像ならば徐々にカイラスギリーが動いているのが分かる。
ゴメスの眼が見開かれて、恐ろしい予測がベテラン連邦士官の脳細胞へ警鐘を鳴らす。
「ビッグキャノンが徐々に動いている?
そうか…!さっき感じた違和感は、要塞が…動き出してやがったんだ!」
その言葉には命令は含まれていないが伝えたい事をクルー全員に確かに伝えていた。
ネス・ハッシャーがカメラから得たデータを元に手早く光コンピューターに演算をさせて、
そうすればあっという間に答えは得られた。
「敵要塞砲が少しずつ砲身をこちらに向けています!
急速に高まりつつある巨大熱源も確認!
間違いありません!ビッグキャノンが稼働しています!!」
ネスの焦った声にオイ・ニュングも顔を青くして表情を強張らせ、
ゴメスの声にも僅かな震えがあった。
「か、完成していたのか!」
「いや…完成していたのなら我々が近づく時点で撃ったはずだ。
ザンスカールめ…恐らく未完成の状態で撃とうとして
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