宇宙の魔獣・カイラスギリー その3
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頸部襟からビーム発振機を2本取り出し接続すると、
一本の長い鞘へと伸縮させて光り輝くメガ粒子の鎌を振り回す。
「こういう時、鎌サイスというのも悪くはないな!」
自機の前後に陣取ろうとしたコンティオのハサミを、両刃のビームサイスの一閃で始末。
そして介入してきたコンティオ5番機へ頭頂トサカを向ければ鋭い光が飛び出し、
ビームキャノンが真っ直ぐにコンティオを貫いて真空に大輪の火花が瞬き消えた。
間髪入れずアビゴルが振り向き三つ目を見開いて、赤い目でピピニーデンを見つめる。
爆炎の光を背負って不気味な影に染まるアビゴルの光る目は、
ピピニーデンに死の予感を与えるには充分な威圧であった。
ピピニーデンが先の一撃から立ち直るその僅かな時間に、
時間を稼いでくれた部下は消滅していた。
「そうか…ヤザン・ゲーブル…!貴様は、そ、そこにいたということか!」
そしてピピニーデンは確信する。
シャッコーにでもなく、あの白いMSにでもない…本物の野獣はアビゴルの中ここにいた。
「き、貴様は…貴様は…!私がここで仕留めるのだぁぁ!!」
以前の醜態を晒した地上での戦い。そして今。
湧き上がってくる恐怖を必死に噛み殺しピピニーデンは戦士たらんと吠えて立ち向かう。
堂々たる巨体で迎え撃つ緑のザンスカール・マシーンは、
鎌を携え血の色の三つ目を爛々と輝かす死神に相違なかった。
左半身焼け爛れるコンティオが胸部ビームを撃ちつつ抜刀。
サーカスと謳われる複雑な軌道を描いて死神に挑んだが、
そのスピードとキレは半分の手足では見るも無残なものでしかない。
獲物を仕留める至上の快楽がヤザンの脳内を駆け巡り、野獣は笑った。
「フハハハハッ!墜ちろォーーーーッ!!」
パイロットの猛き哂いが滲み出るようなアビゴルの凶悪な目がコンティオを冷たく見据え、
光るサイスとサーベルが交差した一瞬の煌きの直後、
ガクンッとコンティオが揺れて血が吹き出るように腰から炎が吹き上がる。
真空に炎は掻き消されたが続けて起きた爆発がコンティオの下半身を吹き飛ばした。
――
―
ヤザン隊とコンティオ戦隊の交戦は数分。
10分にも満たない。
コンティオ戦隊の敗因は少しの不幸な、或いは迂闊な要素はあった。
パイロットの負担になるショットクローを真っ先に使い過ぎたのも、
コンティオ戦隊を疲労させたのは確かだ。
また、シュラク隊の粘りがその疲労を更に増やしたのもある。
しかしそ
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