宇宙の魔獣・カイラスギリー その3
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せるのは、
まことに彼の異名の野獣の名に恥じぬ野性的感性だった。
「虚仮威しだな!」
ヤザンは哂いながら断じる。
「こいつは後ろに目でもついているのか!?」
ピピニーデンのオールレンジ攻撃を、
とても大型機とは思えぬ急制動で回避し続けるアビゴルは
とうとうショットクローの動きに慣れてしまったようだった。
躑躅色のハサミの動きの先回りをしてコンティオ本体目掛けて突進。
だがコンティオ戦隊の隊長を務める男はそれを予測しているのだ。
「しかしそう来るのは予想の内なのだよ!」
コンティオの正面火力は凄まじい。
胸部に三門のメガ粒子砲があるが、これは3本のビームを収束して爆発的火力を実現する。
今までは連射していた胸部ビームを、
ピピニーデンは既に充填収束し獣が罠に飛び込むのを待ち構えていた。
コンティオの胸部の砲門が火を吹くまさにその時に、
ヤザンもまた敵機のやりたい事を読み切り既にアビゴルを次の動きに移していたのだ。
「クク…この動き、あの時のトムリアットか?正直さが変わらんなァ!」
スロットルレバーを引き倒しながらヤザンは嘲笑う。
コンティオの強力な火線の上に、既にアビゴルの姿は無く、
ピピニーデンは消えゆく緑の大型MSの姿をとくと拝んでやろうと思っていただけに狼狽えた。
(っ!?あのタイミングで避けられた!!)
そして狼狽えるのと時を同じくしてコンティオのセンサーがけたたましく鳴り響き、
己の主ピピニーデンへと警鐘を鳴らす。
「っ!?うわぁ!?」
しかしコンティオの警告虚しくアビゴルのビームが真下から左腕左脚を薙いだ。
手足が爆破する衝撃に揺れて隙を晒す隊長機の危機。
それを察したコンティオの5番機がシャッコーとヴィクトリーの相手を仲間に託したようで、
横合いからアビゴルへ茶々を入れるという良い忠誠心と判断力を見せつける。
「2対1に持ち込もうというのは褒めてやるがな…!」
ヤザンもある程度はその判断を称賛するも、肝心の隊長機はこの瞬間行動不能なのだ。
2対1にはなり得なかった。
そのコンティオはハサミ≠飛ばし、
腕と胸のビームでアビゴルの動きを封じようという健気さを見せたが、
しかしアビゴルは己へ向かってくるショットクローへ、
身をひねりつつ自ら飛び込んだのは5番機の予想を上回った。
「もう手品の種は視えているんだよ!」
目にも留まらぬ…とはこのことだった。
アビゴルは外側
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