宇宙の魔獣・カイラスギリー その3
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クトリーへと迫り返す。
背を向けていたヴィクトリーの背後から、
ゾロアットとは段違いのスラスター速度でルペ・シノは光刃を突き立てた。
絶対の命中を確信した、ドンピシャのタイミングだとルペ・シノの経験は語ったのに、
しかしヴィクトリーはひらりと宙返りをしてそれを避けた。
そして頭上からサーベルで突刺しようと白いMSは殺気が籠もる腕を振り下ろす。
(この動きは、野獣のものだろう!ケモノめ…白いMSに乗り換えた!?)
驚愕に顔を引きつらせたルペ・シノだが、彼女もまた猛者だ。
ウッソが師の動きを真似た結果、
ルペ・シノは以前シャッコーがこの動きを披露したのを覚えており死を免れた。
残っていた肩のショットクローの爪を回転させ、
背後にサーベルを発振して鍔迫って既の所でそれを防ぐ。
「なんて奴!」
「怖いだろっ!怖いだろう!?戦うのって怖いんだよ!!」
ヴィクトリーが更に強く押し込んでくるのをルペ・シノは必死に支え、
機体同士が擦れる程に鍔迫り合いを演じているのだから互いの声が耳へ届いていた。
ルペ・シノがやや素っ頓狂な声を上げて白いMSを見上げる。
「今のは何!?子供の声だっていうの!?」
「っ!お、女の人!?」
一瞬の驚愕がヴィクトリーとコンティオの手を止めてしまった。
ルペ・シノは戦場に子供がいる事に。
ウッソ・エヴィンは、戦っている相手もまたシュラク隊と同じように妙齢の女性だった事に。
戦場を動かす運命の歯車というものの得体の知れぬ不気味さを二人は感じた。
そしてすっかり乱戦となっていたこの戦域で目ざとくその隙を見つけた者がいる。
コンティオ戦隊のピピニーデンであった。
「あの動き…白い奴に野獣は乗り換えたということか?
それにしてもルペ・シノめ、良い具合に白い奴を引きつけてくれた。
白いMS…蘇ろうとするガンダム伝説はそのまま地獄にいてもらいたいな」
コンティオのFCSが白いMSを狙う。
乱戦を上手く立ち回り、己がフリーになったその時にそれをやるのは、
偏にピピニーデンの立ち回りの上手さだった。
しかし、やはり上には上があるものだ。
ピピニーデンのコンティオの真上からメガ粒子の光が降ってきて、
ピピニーデンはコンピューターのアラートを聞いて反射的に身を引いていた。
「ヴィクトリーを狙って俺の相手はしてくれんのかァ!?
そんなガキよりかは俺が楽しませてやるさ!」
「っ!?」
緑色の巨体が上から降ってきて、逆さまのMS
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