宇宙の魔獣・カイラスギリー その2
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を、邪魔をしてくれたマヘリア機へと猛スピードで突っ込ませる。
爪の間に展開されたビームサーベルがマヘリア機を突き刺す。
ガンイージの右肩が根本から抉られ、小さな爆発がそこで巻き起こった。
「あぅっ!!?」
コクピットまでその損傷は響きマヘリアの右腕と右太ももを、激しい火花が焼いていた。
(く、そ…危なかった…!ヤザン隊長のシゴキが無ければ反応できなかった!)
あの血反吐吐く訓練に、マヘリアは今心底感謝している。
コクピット狙いの際どい攻撃をスレスレで躱すのは、
ヤザンが最も力を入れた訓練項目の一つ。
MSが小型化した現代、胴部狙いの攻撃はその殆どがコクピットのダメージに…
延いてはパイロットの負傷に直結する。
そしてジェネレーターを誘爆させて核爆発を起こさない為にも
パイロット狙いの攻撃は頻度を増す。
MSの手足も勿論狙われるが、パイロットと比べれば致命傷足り得ない。
MSの手足は一朝一夕で作れるが、パイロットの育成はそうはいかず、
「金と時間がもったいないだけだ」と顔を背け気味に言っていた姿は、
ヤザンには内緒だが女心がくすぐられるとシュラク隊で騒いだものだった。
しかし、コクピット狙いの攻撃による振動で、打撲、裂傷、摩擦傷、火傷etc…
それらで乙女の柔肌を傷つける容赦ない訓練は今思い出しても恐ろしいものだが、
そのお陰で今自分は生きているとマヘリアは痛感出来るのだから幸いだ。
「あの隊長に、結局女の一番大事な血まで流されるなんて想像もしなかったけど…。
ぅ、ぐ…今夜もめいっぱいイイこと教えて貰うんだから…死んでられないのよ!」
独り軽口を叩きつつ痛む足で必死にフットペダルを踏み込み、
痛む腕でレバーを引きつつコンソールを打ち込む。
推進剤にまで引火するダメージでない事を祈りつつも、
マヘリアは推力を落とすことなく損傷したガンイージをちょこまかと動かし続けた。
ルペ・シノはまたも唇を軽く噛んだ。しかしその咬合力は幾分強まっているようだった。
「また仕留めきれなかった!?こいつら…ちょこまかと!!4番機、私に合わせろ!」
ショットクローを手近な僚機に取り付けて接触通信で挟み撃ちに引き込む。
2機のコンティオがダメージ著しいガンイージの前後を、
まるで獲物が弱ったかを確認するハゲタカのように観察し、そして時折ライフルを放つ。
「…っ!今度は二人がかり!?しつっこい!」
マヘリアも火を吹くガンイージで必死に避け続けるが限界は近かった。
メインカメラで周囲の仲間の様子を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ