第一章
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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所
白井虎太郎は暗い顔で自室に引き篭もっていた。パソコンの前にも立たない。
剣崎一真が自分の前から姿を消してからそうなっていた。仮面ライダーについて書くことも忘れてただそうして無為に時間を過ごすだけになっていた。
彼はアンデッド、もう一人のジョーカーになって世界を救った。自分自身の全てを捨てて。
微笑んで姿を消した彼だったが残された者の顔には笑みはない。皆剣崎のことが忘れられず辛い日々を送っていたのだ。
それは上條睦月も同じだった。平和な学生としての生活に戻り今は彼女と共に満ち足りたキャンバスライフを送っている。だがその中でも剣崎のことが心に残っていた。
「今何処で何をしているんだろう」
そのことを思うと辛くて仕方がない。何度も衝突し戦ってきた。そこから築いてきた絆は深い。そのなくなってしまった絆のことを思うとどうしようもなかった。
その日もそうだった。部活の後の帰り道望美と別れて一人歩いていた。その時ふと剣崎のことを考えていた。
考えても仕方のないことだった。それでも考える他なかった。辛い、考えても仕方のないことだったがそれでも考えてしまう。だがその考えは強制的に中断させられてしまうことになった。
彼の目の前に数体のダークローチが姿を現わしたのだ。上條はそれを見てまず我が目を疑った。
「そんな、もう出ない筈なのに」
剣崎がジョーカーとなり自分達の前から姿を消したから。もう出ない筈なのだ。
だが彼等は姿を現わした。そして襲い掛かって来る。
「くっ!」
考えている時間はなかった。右手を前にかざす。前に蜘蛛のカードが現われる。
烏丸は戦いの後で剣崎の覚醒を恐れて三人にカードを戻していたのだ。若しもの時は。それがまさか役に立つことになるとは流石に思わなかった。
「変身!」
その前を通り過ぎ仮面ライダーレンゲルになった。杖を手にダークローチ達に向かう。
忽ちのうちに数体倒す。しかしそこにまた現われる。
今度もまた現われる。今度も倒していく。そこにもう一人姿を現わしてきた。
「貴方は!?」
「睦月、一体これは」
姿を現わしたのは相川始だった。本来の姿はジョーカーであり仮面ライダーカリスでもある。前にこのダークローチ達が姿を現わした時は彼がジョーカーとしてバトルファイトに最後まで残ったからだ。その彼が今驚いた顔で上條の前に姿を現わしていた。
「始さんじゃないんですか!?」
「馬鹿を言え、俺は」
相川も驚いた顔で上條に応える。
「見ろ、ジョーカーになっているか!?」
「いえ、それは」
「そういうことだ。まさか剣崎が」
「剣崎さんが!?まさか」
上條はその言葉を否定した。彼はこうしたことにな
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