暁 〜小説投稿サイト〜
ヤザン・リガミリティア
宇宙の魔獣・カイラスギリー その1
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


ヤザン隊の挙動の真意を直様見抜くパイロットはいなかった。

 

「ぐ…こ、こいつら…汚い作戦で…

俺たちをこんな目に合わせた挙げ句、こんな舐めた動きしやがって!

戦場で曲芸飛行だと!?」

 

「しかも、な、なんだよあのMS!シャッコー以外にも、ありゃうちらのMSだろうが!くそ!」

 

「リガ・ミリティアめ…!また俺達のマシーンを奪いやがったのか!」

 

「手癖の悪いゲリラ屋共が!」

 

突っ込んできたリガ・ミリティアに、

明らかに味方ザンスカール製の特徴を持つ緑の大型MSがいたのも彼らの正気を目減りさせていた。

無数のゾロアット達は、

猫目を見開き周囲を高速で飛び去ろうとする切り込み隊を撃ち落とそうと躍起であった。

ヤザンが哂い吠える。

 

「ハハハハッ!貴様らのビームストリングス紛い物とは一味違うぞ…!クモの巣を喰らえィ!!」

 

ヤザン隊の3機のMSが同時に電磁ワイヤーを起動。

激しい電流がビーム光のように鮮烈に宇宙の漆黒にトライアングルを描く。

 

「なんだ!?うっ!?」

 

「ビームストリングスか!?」

 

「がああああああ!!!?」

 

「うわぁぁあぁああ!!」

 

ゾロアット達が、真空に張られたクモの巣に絡め取られ見る見るうちに装甲が焼け爛れる。

ビームストリングスならば当世代MSのビームシールドで防ぐことも出来るが、

3機分のパワーとなると話は変わる。

クモの巣は3機分の出力の電流が張り巡らされた死の電磁ネットだ。

しかもそれだけではない。

ヤザンは、アビゴルの攻撃性能をみてクモの巣に更に一手加えられると踏んでいて、

全くの情け容赦無しに止めの一撃を加えるのだ。

 

「クハハハハハッ!!こいつも受け取りなァ!ハイパーボイルだ!」

 

アビゴルの背部射出口から機雷のような物がクモの巣にバラ撒かれると、

その無数の機雷の一つ一つが強力なビームネットを展開するのだ。

クモの巣が更に激しく輝いた。

クモの巣の電磁結界の中で発動したアビゴルのネットは、

さながら電子レンジの中で加熱されるダイナマイトだ。

クモの巣の電流は加速度的にMSの耐電撃性能を凌駕し、

その瞬間クモの巣に絡まっていた12機のゾロアット達は内部から破壊され爆発。

パイロット達はミンチより酷い状態となって鋼鉄の巨人ごと宇宙の塵になって消えていた。

あっという間の事である。

 

余りに印象的なカイラスギリー戦の本格的開幕であった。

マイクロウェーブ作戦で士気が悲惨な事になって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ