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ヤザン・リガミリティア
誰が為に獣達は笑う
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みかけていた意識を正気に戻し、はっとし言葉に詰まった。

自分の痴態に全身を赤くし恥じて、次の瞬間には怒りを爆発させていた。

 

「わ、私を哂って…バカにして…!あなたって人は!下劣なケダモノよ!」

 

口づけ出来そうな距離にいながらヤザンの頬へビンタを見舞う。

きっとビンタが来ると予想がついていたヤザンは、

いつぞやのように簡単にその攻撃を捕捉して抑え込むとまた深くキスをして女を黙らせた。

 

「んん…!んむぅ…!んん〜〜〜っ!ん、んん…!ん…っ、ん……」

 

今度のキスは長い。

カテジナの烈火は、絡みついてくるベロに掻き消されていくのが彼女自身分かる。

彼女は、扱い辛く面倒な自分を心のどこかで理解している。

だがその面倒な自分の扱いを、第三者に…この男に心得られているというのが、

カテジナには悔しいような、それでいて安心感があった。

 

「ん…んぅ……ぷは」

 

口が離れ、ほおけた顔になりそうな自分を叱咤し目の前の男を睨みつける。

男はいつものように悪人面で笑っていた。

 

「生きて帰れよ、カテジナ。そしたら続きをしてやるよ。今度は最後までな」

 

「……自惚れ屋。あなたなんかに、抱かれてやらないわ」

 

獣のオスとメスは互いに視線を交わらせ続けていた。

 


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