野獣好きのバグレ
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、半舷上陸でもないのにアルコールなんて」と
少年が真面目に反応したその時だ。
「失礼します!」
ハツラツとした女性の声がレストルームに響く。
ヤザンとウッソが目を向けるとそこには様になった敬礼姿で背筋の良い女性が立っていた。
紫がかった短い青髪をオールバック風に後ろに流していて、
さばさばとしたいかにも女軍人といったナリの女性。
その女がやや緊張した面持ちでヤザンを見ていた。
「自分は連邦軍第168…ではなく、バグレ隊のユカ・マイラスであります。
リガ・ミリティアの、ジェヴォーダンの獣ヤザン・ゲーブル総隊長にお会いできて光栄です!」
リガ・ミリティアに合流したとはいえ、まるっきり連邦軍人丸出しのユカ・マイラス。
そんな若い女軍人を横目で見つつ、ヤザンは自販機から目当てのドリンクを取り出す。
「あぁ、ヤザン・ゲーブルだ。一応連邦軍所属だが…今はゲリラ屋だ。
固い挨拶は抜きにさせてもらうぞ」
「は、はい!休憩中に失礼しました。
あ、あの…ヤザン総隊長の噂はかねがね…!
その、それで総隊長殿が元ティターンズというのは…!」
「ふん…そんな噂まで広まっているとはな…
リガ・ミリティアの秘匿性はどこへいったんだ…?まったく…。
あぁ本当だ。なんだ?そんな事を聞きに来たのか?」
「い、いえ!あの、宜しければ握手等を!」
「ハハハッ!何だ貴様!俺のファンとでも言うのか?
面白い奴だな…俺もそれだけ有名になったということか」
「ええ!それはもう当然です!
ティターンズのヤザン・ゲーブルといえば連邦軍人ならば誰でも知っていて――」
ユカ・マイラスの語る口には熱があった。
ヤザンはやや呆れたようにキッパリと言い切る。
「忘れろ。ティターンズは連邦の恥部だ。
そしてそこに所属していた俺もな。
元ティターンズはグリプス戦後は戦争犯罪人になった者達なんだぞ」
「しかしそれはもう70年も昔の事です。
最近ではティターンズの言い分等も色々と再評価する向きも強く…
特にクロスボーン・バンガードが出てきた30年前からはそれが盛んでした!
ティターンズの精鋭ぶりは今の連邦から見れば栄光そのものです!
今…連邦にティターンズのような人達がいれば…
ザンスカールになどデカイ顔をさせないと皆も言っていますよ!
ほ、本物のティターンズに会えるなんて…!」
ユカは輝く目で熱弁を奮い、
これはダメだとヤザンは呆れる。
「…それで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ