野獣好きのバグレ
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「カテジナ・ルース、シャッコー。出ます!」
宣言し、ヤザンの愛機となっていたオレンジのMSで宇宙へ飛び立った。
(…シャッコーの中……あいつの匂い…)
シャッコーのスラスターがカテジナに適度なGを掛け、
その重さに心地良さを感じながらカテジナはコクピット内に満ちる男臭さに目を細める。
ヘルメットのバイザーは開け放たれていて、カテジナは鼻いっぱいに漂う臭気を吸い込んだ。
その香りに夢中になったせいか、
シャッコーのコンピューターが警報を発しているのに気付くのにワンテンポ遅れる。
「カテジナ!相変わらずのわがままだ!仕置きしてやらんとなァ!」
MA形態のアビゴルがシャッコーの直ぐ間近を高速で抜けて、
その衝撃でシャッコーが宇宙で転んでしまう。
「俺のシャッコーまで持ち出しやがって!」
ヤザンの指摘に、シャッコーを立て直しながらカテジナが言い返す。
「別にいいでしょう!あなたはそっちに乗り換えるんだから!」
反論しながらカテジナはセンサーに映るアビゴルを追う。
今は訓練中という事もあってミノフスキー粒子は薄い。
充分にレーダーで追えたが、
アビゴルの光点はあっという間にレーダー範囲ギリギリまで動いている。
凄まじいスラスター推力だ。
「はん!まったくお嬢様は何でもかんでも自分の物だと思うらしいな!
まぁいい、そんなに欲しけりゃくれてやるよカテジナ!
そのかわり存分に相手してもらうぜ!」
「ええ!」
そう返答するカテジナの表情は、これから訓練に臨むという固いもの。
だというのにどこか歓喜が滲むのは、
やはりヤザンから目当てのオモチャを貰えたというからだろうが…
恐らくそれだけが理由ではないだろう。
そういうカテジナを見て、ヤザンは思う。
(他の奴らが休んでいる間も時間を惜しむか…こいつ、本気だな)
本当にカテジナはウッソに迫りシュラク隊を超す気があるらしいと判断したが、
実はカテジナは腕前の上達以上に
ヤザンと共に在れる時間が嬉しいとまでは流石に察する事ができなかった。
(しかし、休むのも仕事の内なのだがな)
休まぬ自分を棚に上げて教え子を困った奴だと苦笑する。
その後、アビゴルとシャッコーのマンツーマン授業は
他のパイロットが目覚めるまで続くのだった。
――
―
リガ・ミリティアのバグレ隊。
元々
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