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ヤザン・リガミリティア
宇宙の暗がりで企む獣
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ファラ・グリフォンは美しい。

脳波グラフの波形も実に整っています。

あと一歩…あと一歩で、彼女はニュータイプとして天然物になり得たと私は思うのですよ」

 

「切っ掛けは作ってやったよ。君の助言通りにね」

 

「はい。宇宙の広さと深みを知り、触れることがニュータイプの拡大に繋がる可能性がある。

きっとファラ・グリフォンは良いニュータイプになります」

 

「博士には期待している。スーパーサイコ研究所への支援は惜しまんよ。

後々、私があの老人を追い落とした後には君にも所長の席が待っている」

 

インテリの男は、いっそ爽やかに見える笑みを浮かべてグラスを掲げ、

タシロもそれに合わせて互いに目を弧にするのだ。

 

「乾杯」

 

阿漕あこぎな真似をする者はいつの世にもどこにでもいて、

こうして上手い酒を飲んでいるものらしかった。

 

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