宇宙の暗がりで企む獣
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ル勢力の連合だ。
数年前までは正真正銘ただの過激派ゲリラ組織だったが、
近年は反ザンスカールの狼煙が次々に上がって勢い付いている。
本当の総戦力は真なるジン・ジャハナムしか知り得ぬが、
ヤザンや伯爵は少なくとも
リーンホース1隻、僚艦のサラミス2隻、
バグレ隊、そして連邦軍第1艦隊・通称ムバラク艦隊を把握していた。
バグレの艦隊規模は10隻の艦と30〜40機のMS隊と聞いているし、
正規軍であるムバラク艦隊は
補給艦等合わせて30近い艦艇を所持しMSの数は100近いという。
つまりリガ・ミリティアは
今ではザンスカール帝国とまともに殴り合える力をつけつつあるということだ。
もっとも、ムバラク艦隊は積極的に連携行為を行ってくれているだけで
リガ・ミリティア所属ではない。
だが今まではフェイントのように艦隊を動かしてザンスカールを牽制しているだけだったが、
数日前には艦隊を直接動かしたという情報まであって非常に心強い。
狙いはサイド2内で最活発化した反ザンスカール運動の後押しだろう。
無敵と謳われるズガン艦隊も、ムバラク艦隊の動きを気にして
再結成した反ザンスカール・コロニー連合艦隊に対して思い切った動きが出来ていない。
ザンスカール帝国の大佐たるタシロ・ヴァゴは、
当然リガ・ミリティアの戦力の全容を知りはしないが
大まかにはそのようなものだろう≠ニ推測している。
敵戦力を正確に推し量るその慧眼はさすがザンスカールの大佐という所であった。
その彼は今、
カイラスギリー艦隊旗艦スクイードTの豪華なディナールームで食事を楽しんでいた。
タシロの背後には、本物の薪で暖を取る暖炉がパチパチと燃えていてその贅沢さを物語る。
貴族のように無駄な華美を楽しむ彼の目の前の長卓。
その向こうに座る美女をジロジロと舐め回すように見ながら、
甘いアイスとチョコレートソースのデザートで舌鼓を打っていた。
(地上のラゲーン失陥も、本国の苦戦も大いに結構…。
私と私のカイラスギリーの存在感が増すというものだ)
こういう状況では、寧ろ己の出世の緒いとぐちとなるとタシロ・ヴァゴは思っている。
タシロは優雅にスプーンでまた一口、とびきり上等の甘く冷たいクリームを口に運ぶが、
卓を共にする女性、ファラ・グリフォン中佐のアイスを掬うスプーンはかちかちと揺れていた。
「…どうだね、中佐。甘いアイスだろう?」
「……は、はい。
このような軍艦の中で、これ程美味しい嗜好品を楽しめるとは思いませんでした」
ファラの表情
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