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ヤザン・リガミリティア
宇宙の暗がりで企む獣
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その手に第1期MS並みに大きいトンガリ頭のMSを引きずりながら。

無事戻ったのを見たカテジナがホッと息を吐いたのを

装甲越しの接触通話でウッソは聞いて頬を緩めた。

ヤザンと接しているとウーイッグのお嬢様時代が嘘のような苛烈さをカテジナは見せてきて、

その様は余りウッソは好きではなかったが逆にお嬢様時代の優しい笑みを引き出すのも

少年が尊敬し懐いているヤザンという男だった。

安堵したカテジナがシャッコーの肩へいそいそと組み付く。

 

「ヤザン…隊長。そのMSは大丈夫なのですか?」

 

「ポンコツらしいが新型だ。持って帰っても無駄にはならん。

オーティスとストライカーに見せればこちらの戦力になるかもしれん。

ダメでも最悪部品取りに使える」

 

リガ・ミリティアは貧乏所帯でいつだって物資と金と人員は大歓迎だ。

ちょっとした散歩が良い拾い物をしたと笑うヤザンを見て、

次いで漂流廃墟へ向かったヴィクトリーの背を見ながら

カテジナはそれにしても…と思った。

 

「シャッコーとあのクロノクルといい、

その大きな緑のカブトムシといい…あなたって呆れた人ね、ヤザン」

 

よくもまぁ敵の物を分捕る男だとカテジナは評すれば、

そうだなとヤザンも肯定してまた笑った。

 

「俺の普段の行いが良いのだろうよ。良く道端に落ちているのさ」

 

「よく言うわよ、まったく」

 

「貴様ァ…口の利き方を忘れておるぞ。帰ったら折檻が必要か?」

 

「これは失礼しました、隊・長・」

 

こいつ、とヤザンが薄く笑った時に

ウッソのヴィクトリーが両手にぐったりした人間を3名抱えて戻る。

ウッソは少し慌てているようだ。

 

「ヤザンさん、怪我をして…死にそうな人がいますよ!酸素ももう無さそうで!」

 

「それで死ねばソイツの運が無かったまでだ。

だがまぁ、急いでやるとするか……死なぬ程度に加速して帰投する!」

 

 

 

――

 



 

 

 

「こりゃ驚いたな。また隊長はMSを拾ってきた」

 

ロメロ爺さんがすっかり抜け落ちた白髪頭をポリポリ掻いて感心するやら呆れるやらだ。

ストライカーもクッフもネスも無言で同意する。

 

「爺さん、ストライカー!その緑のカブトムシ、頼んだぜ!

ベスパの新型だ。上手くすりゃこちらの戦力になる」

 

シャッコーからワイヤー昇降機で降り、

ノーマルスーツを緩めながらヤザンが整備陣へと懇願すれば

 

「カブトムシ
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