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ヤザン・リガミリティア
宇宙の暗がりで企む獣
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ティアは正規軍ではない!

なにが慣習法だ…!無法のゲリラ共になど…助けられる謂れは無い!

すぐに立ち去れ!」

 

オール状態の無線と触れ合い通信の二重で

実に頑固そうな声できっぱりとそう言ってきたのだ。

 

「ほォ…だが、虫の息の奴もいるようだが」

 

「我らは名誉の戦死の覚悟はいつでもある。

さっさと消えろ!」

 

「いい度胸だが、貴様のご同胞は同じように無駄死にしたがるのか?」

 

「無駄死にではない!私の部下に死に怯える腑抜けは一人もおらん!」

 

「貴様が隊長だと言うなら部下に死を強要するならば場面を考えたらどうだ。

隊長一人の意地に巻き込んで孤独に窒息死とは余りに無様な死に様だな?」

 

「貴様!!」

 

陰から飛び出したベスパの兵が対人用のハンドガンでシャッコーを威嚇する。

あまりに非力なその威嚇に何の効果も無い等、

互いに嫌というほど分かるのに相手は意地からそれをせずにはいられないらしい。

銃を構えるベスパのパイロットは確かに戦士としての矜持を持っているようだが、

戦士としての在り方はヤザンの考えるそれとは相容れない。

闘争心を萎えさせぬその男の心意気は買うが、

 

(…馬鹿な奴!生き延びるチャンスを自分からふいにしようと言うのか!?)

 

だがその行為は余りに頑固で向こう見ずだとヤザンには思えた。

そんな愚かと思える銃を構えるベスパの兵は、

投降を促してくるMSを見て言葉に詰まり動揺をしているようであった。

 

「…!シャッコーだと!?

く……そうか、貴様がジェヴォーダンの獣か!

我が軍に痛撃を与え続けるゲリラの英雄…忌々しい!

尚更投降などできるものか!!」

 

シャッコーのカメラが男を拡大する。

青筋を立てて怒鳴り散らすその男をからかうようにヤザンは笑った。

 

「クックックッ…そうかい、ならばそこで野垂れ死にな。

あのMSはリガ・ミリティアが頂いていくぜ」

 

「…ぬ、うぅ!勝手にしろ!ろくな性能も出なかったシロモノだ!」

 

「…フンッ」

 

鼻で笑い、ヤザンはシャッコーを廃墟から飛び立たせ、

そして放置されていたグリーンの大型MSへワイヤーを打ち込んで絡め取る。

そのままシャッコーのバーニアを吹かし去るのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思いきや、ヤザンは数m離れた所で…つまり直ぐに停まってシャッコ
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