宇宙に帰ってきた獣
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ヤザンがリガ・ミリティアにいる 作:さらさらへそヘアー
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宇宙に帰ってきた獣
「すげー宇宙だぜ!」
「うわ…僕はじめてだよ。な、なんか恐いなぁ!
わっ!でも見てよ!あれ!すっごい光ってるよ!」
「ちょっとぉ!顎のせないでよウォレン!おーもーいー!」
「なんだお前ら宇宙初めてなのか。俺はサイド2生まれだからこんなの慣れっこだよ」
オデロとウォレンとスージィと、そしてクロノクルだ。
彼ら4人はMS格納庫ハンガーデッキの小窓から外の真空を眺めていた。
戦時でなければシャッターは降りておらずこうして外の景色を楽しめる。
とは言っても、宇宙はどこまでも変わらない暗黒で
星々の瞬きもどれもこれも素人には違いは分からない。
ただ空気の綺麗なカサレリアで見る夜景の星よりもその輝きは鮮烈で、
どれを見ればいいのか分からない程の無数が光っていて
地球育ちの子供達にとっては新鮮な美しさだった。
そんな地球育ちの、クロノクルから見れば田舎者丸出しの地球人のはしゃぎように、
クロノクルは優越感を得て胸を張って笑っていた。
「見慣れてるなら頭引っ込めろよ!お前は無駄にデカイから邪魔なんだよな」
オデロがクロノクル青年の赤頭を押し込んで除けようとし、
クロノクルは「何すんだ!」とジタバタと悪態をつきながら抵抗した。
「これだから地球人は田舎もんって言われるんだ」
「なんだと、この頭イカれの唐変木」
「何をぉ…?俺のどこがイカれ頭だ!」
「実際そうだろうよ!」
「言ったなオデロ!」
「言ったさ、ウドの大木!」
「ちょっと止めなよ2人とも!もぉー!
クロノクルくんも大人になりなって!オデロと同じレベルでケンカしないでよ!」
クロノクルとオデロが互いの胸元を掴みだして、
それをスージィがぎゃーぎゃー喚いて止めて、
ウォレンは小窓の外の景色を写真で必死にパシャパシャしている。
そんな大変騒がしい子供らをそのまま放置して見逃す大人はここにはいない。
「コラァ!!邪魔するなら格納庫から出ていけ!!
客室とかトイレの掃除とか…色々あるだろう、お前ら!」
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