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ヤザン・リガミリティア
宇宙に帰ってきた獣
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カテジナはヤザンの目を真っ直ぐに見る。

 

「望むところだわ」

 

「……本当に良いんだな?

貴様が嫌う、力で言うことを聞かす暴力機関の世界が軍人だ。

必要とあらばガキも兵士として使う。

例え民兵組織のリガ・ミリティアでもその根っこは変わらんのだぞ?」

 

「……えぇ、覚悟の上よ。

あなたの土俵で、その世界で私は意地を貫いて…あなたに認めさせてやる。

そうでもしなければ…私はずっとヤザン・ゲーブルに負けたような嫌な気分のままなの。

私を小馬鹿にし続けたあなたが土下座して抱かせてくれ≠チて、私に言わせてやるのよ」

 

きっぱりと言い切って、挑むようにヤザンから目を逸らさない。

カテジナの切れ長の美しい瞳が野獣が如き男を射抜き続ける。

 

「わかった」

 

ヤザンがそう呟くと、シュラク隊もオリファーもウッソも少し驚いた。

だが、何となくそうなるのではないかという思いも一同は抱いていたのだ。

カテジナが、こうも皆に食いついて離さないのは唯の世間知らずのお嬢様には出来ない。

ヘレン・ジャクソンも、掴みかかられ叩かれた痛みに涙する事も臆することもなく

やり返してきた事については多少認めないこともない。

根性無しのお嬢様というだけではないらしい。

それに、日々恐い人≠フヤザンとケンカをしているだけでも、

確かに「心は強い」と自尊するだけはあるのだ。

 

ヤザンは極めて真面目な口調で彼女へ言う。

 

「今から貴様は俺が鍛えてやる。

MSの操縦の腕前も、兵士としての心構えもな」

 

カテジナの顔にパァっと僅かながら花が咲いた。

本人も気の強さ滲む真面目で頑固そうな顔でその言葉を受けたいらしいが、

どうも嬉しさを隠しきれていない。

 

(カテジナさんって…凄く顔に出る人なんだな)

 

観戦者であるウッソ少年は心でクスリと笑う。

 

「ええ、頼むわね」

 

少し上擦ったような声でカテジナが言うとヤザンがすかさず、

 

「口の利き方に気を付けィ!!」

 

「ッ!!」

 

大きな声でそう叫んでカテジナの肩が揺れる。

 

「貴様は既に俺の部下になったんだ。

俺は上官であり教官というわけだ。

戦闘中の俺の指示は絶対…命令違反は営倉入り。

事と次第によってはその場で俺が銃殺する…いいな?」

 

カテジナはキッとヤザンを見返して、負けじと声を張り上げた。

 

「わか――っ…は、はい!」

 

「よォし…まずは、パイロットを舐めた口
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