宇宙に帰ってきた獣
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「…おば、さん…?」
ヘレンとカテジナの視線が真正面からぶつかり合って、
誰の目にも明らかに火花が散っている。
ウッソも口を半開きにして顔面を青くしていき、
オリファー等はこの面子の中で最も気まずそうな顔をして居心地が悪そうだ。
「あら?気に障ったからしら、お・ば・さ・ん・」
「ッ!……言うに事欠いて、優しい顔してりゃ図に乗って……!上等だよ!小娘っ!!」
シュラク隊一、百舌鳥の名に相応しい好戦的な女は当然暴発した。
パイロットを侮辱するかのような数々の発言に、
少しばかり若いからといって
まだ20代前半の自分を年齢的に貶されてはヘレンは我慢が利かない。
ヤザンの前だというのも忘れてカテジナに飛びかかって襟を締め上げる。
「っ!こい、つッ!そうやってすぐに手をあげるわけ!?
あんたのような品のない女が…!なんでヤザンに抱かれてさ!」
「結局それなんだろ小娘っ!
惚れた男を振り向かせられないからって
パイロットの世界にいけしゃあしゃあと首を突っ込むな!動機が目障りなんだよ!」
ヘレンがカテジナの頬を打ち、直様カテジナはヘレンの頬を打ち返す。
「ヤザン・ゲーブルもあんたより若い私の方が抱き甲斐があるに決まっている!」
「私は抱かれててお前は抱かれてないんだよ!それが全てだろう!」
今度はヘレンの裏張り手が炸裂し、またも間髪入れずカテジナもやり返すのだから逞しい。
ウッソが慌てて二人の腕を掴もうとして、
そしてオリファーはいい加減に肝を据えて両者を止めにかかった。
「ちょっと二人共止めて下さいよ!
ヘレンさん!カテジナさん!!こういうのっておかしいですよ!」
「止めないか二人共!!余りに見苦しい醜態だぞ!!」
オリファーとウッソがカテジナを抑え、
他のシュラク隊がヘレンを抑える。
「ちょっと落ち着きなってヘレン!本当に小娘なんだよ!
まだ何も見えてないんだ!素人にキレてどうするのさ」
ジュンコが宥めるも、ヘレンはまさに怒った犬がグルルッと唸るようだった。
皆が縋るようにして沈黙を保つ男を見る。
この場を完全に収拾出来るだろうその男、ヤザンの肩が震えだして、
小さな声が「クックックッ…」と漏れ出していた。
「フッハッハッハッハッハッ!!」
顔を上げたヤザンは大笑いをしていた。
堪えきれないという風な笑いであった。
「隊長!?笑い事ですか!」
思わずマ
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