宇宙に帰ってきた獣
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まずは地上戦だけしか経験していない連中を宇宙に慣れさせておきたいのだ。
機体の宇宙対応化は大前提として勿論だが
何よりパイロットが宇宙に溺れて討たれるというのは今までの戦争でも多くあった事だ。
「…なら、そう急ぐこともねぇかな。
どうするヤザン大尉?俺も含めて宇宙は久しぶりだったり初めての連中も多い。
ちょいとばかし慣らしといくか?」
同じことを考えていたゴメスにヤザンはニヤッと笑ったが、
前記のようにそうのんびりもしていられないとヤザンは思っている。
「いい考えだ。俺もそう思っていた。
…だが俺達無しでも静止衛星艦隊と五分五分にやり合っていたバグレ隊なんだ。
それはザンスカールだって理解しているだろう。
俺達という増援が宇宙に上がってきた今奴らも増援を派遣するって事だ。
宇宙艦隊のバグレ隊と合流して早いとこ演習をしたいがな…
それ程時間はとれんだろう。
少しでもやっておくか…直ぐに出るぞ。慣熟訓練を開始する!」
ヤザンの言にゴメスも伯爵も頷けば、それはもう決定事項となる。
直ぐにパイロット各員はMSに搭乗し
ヤザンのシャッコーと実戦形式で訓練となる…筈だったのだが。
しかし、整列したパイロット達を見渡したヤザンは一瞬見間違いかと思う。
思わず二度見し、そして長い金髪の女をジロリと見た。
「…なんのつもりだ、これは」
「あら、あなたが言ったんじゃない。ヤザン・ゲーブルの背中を守れるくらいの女になれって」
シュラク隊と同タイプのノーマルスーツに身を包んだウーイッグのお嬢様がシレッと言う。
一瞬、ヤザンは頭痛がしたように感じる。
だが、ヤザンよりも速くウッソが目ン玉をひん剥いてカテジナに驚いていた。
「なっ!?なにをしてるんですかカテジナさん!?
あなたはパイロットなんてやってないでカルルマンのお世話でしょう!?」
マーベットもウッソと口を揃える。
「そうよ!何を考えているの!
パイロットの数はそこまで足りないってわけじゃないし、
あなたには艦内でやって貰いたい事も多いわ。
戦闘スタッフばかりじゃ組織って成り立たないのよ。
後方サポートだって立派な仕事なんですからね」
オリファーやシュラク隊の者達は説得こそ2人に任せているが同じ呆れ顔である。
ヤザンは腰に手をあてて深い溜息をつきながらうつむき加減だ。
ヤザンの表情が伺えないのが逆に恐ろしいと皆は思うのだが、
当のカテジナは膨れっ面の知らん顔で
ウッソ達の言葉を流しているのだから始末に負
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