獣の安息 その3
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…そうだよ!永世中立のジブラルタルをだ!動かにゃならんだろう!!」
何度も何度もどこぞの連邦基地に電話をしがなり立てていた。
このように実際のドンパチが終われば伯爵やゴメス、老人達の方が忙しい。
パイロットもMSの整備の手伝いや、戦闘で得た新たなデータから
モーションパターンの最適化やより洗練されたものにする入力作業があるが、
政治的な動きまで引き受けるオイ・ニュング等に比べるとやはり時間的余裕があった。
これにはリガ・ミリティアの戦力に直結するパイロットの心身を休ませる目的も当然ある。
だからパイロット達は負い目を抱くこと無く、
短い休みをそれぞれが満喫することを許されていた。
ウッソ少年も、余暇を得てジブラルタルを自由に彷徨く者の1人だ。
パイロット達はジブラルタル戦後、
ジブラルタルを救った英雄としてマンデラに直接面会し謝辞を送られていた。
それらの一連の会話の中でウッソは両親の事を思いがけず聞くこととなったのだった。
曰く、「君を一目見て、活躍ぶりとエヴィンの名まで聞けばすぐに分かった」との事で、
ハンゲルグ・エヴィンとミューラ・ミゲルとは浅くない知り合いが宇宙引越公社には多くいた。
かつてここで働いていたのだ。
そういうことがあり、ウッソはシャクティもおらず自由が利く身でもあるので
独り公社中を彷徨いて両親の事を聴き込んでいた。
(やった!父さんと母さんの事、知っている人がこんないるなんて!
マンデラさんは、二人はきっと月にいるだろうって!)
ホクホク顔のウッソは、
本局ビルのゲストエリアの廊下を走ってヤザンの部屋へと向かっていた。
大した用事ではない。
ただ、両親の情報を念願叶って得たという喜びを誰かと共有したかった。
共感し、喜びを噛み締められるならば誰でも良かったのだが、
身近なシャクティと同年代のオデロ達は
エステル婆さん達残留組と共にカリーン工場からこちらに向かってきている最中だ。
カリーンからジブラルタルに拠点を移すらしく大量の物資と来るのでまだ数日はかかる。
なのでウッソの足は自然とヤザンの元へと向かっていたのだ。
「ヤザンさん。ヤザンさーん」
高そうなドアを叩き、ブザーも押すが反応がない。
ウッソは首を傾げた。
「おかしいな。ヤザンさんは街に出てないってロメロさんも言ってたのに。
……ヤザンさん?いませんか?」
ドアに耳を当てる。
街を救ったMS隊のリーダーにあてがわれた部屋だけあって防音もしっかりしているらしく、
中から音は聞こ
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