死にゆく獣達は守るべき女達に
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「えっ!?」
「頭が邪魔だ!縮こまっていろッ!!」
ヤザンの股座にすっぽりと受け止められていた。
「あ、あの…っ、これはっ…ちょっとマズイのでは…?
隊長の、せ、戦闘の邪魔になっちゃいますし…」
頬を紅潮させ、尻をもぞりとさせたケイトが体を強張らせると、
「仕方なかろう!
もしウッソやオリファーがガンイージに乗ってても同じ処置をしたさ。我慢せぃ!」
確かに命には替えられない。
だが、ウッソはともかくオリファーがヤザンの膝上に抱えられて二人乗りで戦う様を思うと、
ケイトは思わず吹き出しそうになってしまう。
それにしても降ろして貰うまでの辛抱だ…とケイトは思うが(でも…)とも思ってしまう。
ずっとここにいたいと身体の奥の熱が言っているようで、
男とぴったりと隙間なく体を寄せ合う等彼女には経験がない事だ。
ケイトの全身は火を出しそうな程熱い。
「シャトルをやらにゃならんというのに…丁度貴様が見えたんでな。
先にこちらに来たら絶好の機会を逃した。
この始末はどうしてくれるんだ?アァ?」
「す、すいません…ヤザン隊長…」
「フン…、む…来た。フライパンだ!ケイト、悪いが降ろすのは後回しだ!
しばらくはそこにいなッ!!」
「え、このまま戦闘!?わっ!?」
ヤザンがフライパンと呼ぶのは、大型飛行MAリカールだ。
ウッソが呼び出した愛称だが、中々言い得て妙だとヤザンも思っている。
この空飛ぶフライパンと、片腕のゴッゾーラが執拗に妨害してくるものだから
ヤザンも中々ターゲットの大型シャトルを攻撃出来ないでいた。
勿論、ライフルで撃つ機会は幾つもあったが、
レール上でシャトルをビームライフルで堕とす事はそのままマスドライバーの破壊に繋がる。
シャトルの撃破は、レール上にいる時にコックピットを撃ち抜くか、
それとも空へ飛び立ちレールから離れた瞬間を撃つかだが、
纏わりついてくるリカールがそれを悠長に狙いを付けさせてはくれないのだ。
そうやって周囲で戦闘をしている内に窮地の部下を見つけた…ということらしい。
リカールが空から強力なメガ粒子砲を放つと、
シャッコーはそれを急激な加速と変則的なターンの繰り返しで軽やかに避けていく。
ケイトが呻いた。
「うっ…ッ!」
(これ…、ど、どうしよぅ…!)
急加速や急ターンによるGは軽く耐えられる。
だが、それはリニアシートにノーマルスーツを着て一人で座っている場合だ
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