死にゆく獣達は守るべき女達に
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たしいし、新型を仕留めれば金星でもある。
それに今ここで僚機の援護に気を取られては敵新型が踵を返して襲ってくるだろう。
案の定、2枚プロペラがこちらを急ターンで振り返り、
振り返り様肩のビームローターを基部ごと切り離しフリスビーのように投擲してきた。
どうやら基部のビーム発振機は薄い物が2枚重なっているようで、
両肩合わせて計4枚のビーム発振機があるらしい。
ビームローターが投擲されたにも関わらずメッメドーザの肩にはビームローターが健在だ。
ケイトは一発をライフルで撃ち落とす。
続けて2枚目の発振機が高速回転でケイトへと迫る。
「もう一枚!?」
ガンイージがビームを放つが、それは発振機には命中せずにビームローターに弾かれた。
「あっ!?」
「軌道がずれた!」
ケイトと、そしてメッメドーザのルペ・シノが同時に叫んでいた。
ビームローターが弧を描いて逸れていき、
両者が止める間もなくマスドライバーの柱を引き裂き、そして爆発してしまう。
「あぁ!!マスドライバーのレールが!!」
軋み、揺れたマスドライバー台を見てケイトは咄嗟にガンイージを滑らせていた。
ぽっかりと穴が空いたマスドライバーの柱に、
ケイトはガンイージの体をねじ込ませてMSの手足を支柱として微妙な角度調整をすれば、
マスドライバー台は正常な傾きへと正されていく。
精密な力調整をMSにやらせたのはさすがにシュラク隊の腕前ではあった。
並のパイロットであればコンピューターの助けを得ても、
こんな動きは咄嗟の判断では出来ないだろう。
「これは…壊しちゃならない!
これは、人類全部の宝だってこと、あんたらだって知ってるだろ!!」
ケイトだからこそ、シュラク隊だからこそ出来てしまう。
そして文化遺産を見捨てることの出来ない、
良くも悪くも一般人的な感性がケイトに致命的過ぎる隙を作る。
歴史的遺産を守るためとはいえ、戦闘中の敵が見逃してくれるなど有り得ないことだった。
メッメドーザが目を妖しく光らせてガンイージの眼前に漂っていた。
「ッ!」
ケイトが息を飲む。
「ふふ…素早い…それに良い腕だね。感動したわよ…。
マスドライバーのレールが壊れては
私達の仲間が宇宙そらへ帰れないからありがとうと言っておくわ」
ルペ・シノの笑みもメッメドーザ同様に妖しいもので、
サーベルの柄を取り出し薄っすらと光刃を出力する。
「あ、ああ…!」
そ
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