死にゆく獣達は守るべき女達に
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ザン・ゲーブルの激しさは言わずもがなだが、
しかし、激高しても尚脳裏の片隅に冷静さを住まわせておくのが真のエース・パイロットだ。
そういう意味で、ヤザンと違いまだシュラク隊にはエース部隊として青い所があった。
メッメドーザが肩のビームローターでサーベルを受け止め、
同時に肩からメガ粒子の火を吹くとそれを予測していたケイトはガンイージを急降下させる。
距離が離れれば仲間からの援護射撃を受けられる。
「よし…ケイトが離れた。これなら…、っ!?
あいつ…マスドライバーを盾にする気!?レールも関係ないってのかい!」
マヘリアのガンイージの、フェダーインライフルのトリガーにかけた指が止まる。
人類の資産であるマスドライバーを背に陣取ったメッメドーザの動きは狡猾だった。
万一にも外してマスドライバー・レールに当てれば目も当てられないし、
土台の岩山に当てても大崩落の危険性が高い…そう思うとどうしても引き金が引けない。
メッメドーザは悠々と背を晒して空を飛んで後退していき、
それを3人はろくな射撃も出来ずに追うことしか出来ない。
マスドライバーとその土台でもあるヘラクレスの柱の岩山がもう間近まで迫り、
その荒々しい岩肌を横目にMS達は激しいチェイスを演じる。
音速の壁こそ突破はしていないが、
航空機には出来ない柔軟な軌道を高速度で描く新世代MSの空戦は実に華々しい。
常人の反射神経では演ずる事叶わぬその機動戦は、
パイロットを有機的に補佐するマン・マシーン・インターフェイスという
新機軸の当代コンピューターの補助あればこそだが、
当たり前の話だが完全無欠ではない。
ミノフスキーノイズにより有視界戦闘を強いられるのはコンピューターも一緒で、
センサー外からの不意打ちには人間同様に弱い。
であるから岩陰から飛び出してきたゾロの攻撃であわや命を落としかけてしまうのだ。
2機のゾロがガンイージへとサーベルを振りかざし突進してきていた。
「ゾロが!?まだいたのか!うっ!?」
「ゾロの隠れ場に誘われたっての!?」
ヘレン機とマヘリア機が、
ゾロのサーベルをそれぞれ光刃やシールドで咄嗟に受けて難を逃れ
その場で巨人同士の取っ組み合いを始める。
だがケイトはメッメドーザの追走を止めはしなかった。
「あの程度ならヘレン達は切り抜けられる…。私はあの新型を!」
空を自在に飛ぶ新型の脅威もさることながら、
ケイトはあの紫の2枚プロペラに他の面々よりも拘っているらしい。
自分を狙ってきたというのも腹立
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