死にゆく獣達は守るべき女達に
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コーの背、目掛けて突っ込んでいく。
シャッコーの熱センサーが警報を叫んでいた。
「ヤザン隊長!後ろから!」
赤い顔をしながらケイトが警鐘を鳴らすが
「何ィ!?」とヤザンが言うと同時に機体に衝撃が走った。
本来のヤザンならば見落とさなかっただろうが、
シャトルの操縦席へ狙いを定めライフルの出力を調整しようとしていた事…
ケイトの頭が視界をやや狭めていた事…
そして背後から迫るフライパンが、今までの突進とは違い
本当に自機をぶち当てるつもりの突撃をしてきた事で軌道が読みきれず、
フライパンの体当たりがモロにシャッコーの背に決まっていた。
リカールのビームには充分注意しながらフェダーインライフルを構えていたヤザンは、
フライパンの予想外の特攻≠ノ面食らい、
その衝撃でフェダーインライフルを落としてしまっていた。
フェダーインライフルが、岩肌に叩きつけられて転がっていく。
シャッコーが、リカールのキャノピー横の胴体に挟まれて体が逆く・の字に曲がる。
抜け出ようと藻掻いたシャッコーを見、
メッチェはそうはさせじとリカールの操縦桿を一気に倒す。
「逃さん…!このままリカールの加速力で…!」
「こいつ…!!俺を道連れにしようというのかァ!!?」
リカールが急旋回し、
ジブラルタルの岩山へと一目散に向かい出したのを見てヤザンの怒りの感情が吹き上がる。
リカールの加速が更に股座のケイトを自分へ押し付けてくるのも気にせずに、
ヤザンはコントロールレバーとフットペダルを押し込み真横へとズ・リ・飛んだ。
すなわち、横に見えた機首のキャノピーへと猛烈に迫ったのだ。
「死にたいなら貴様1人で死ねというのだッ!!」
シャッコーが腕を振り上げ、
そしてリカールのキャノピー目掛けて思い切り叩きつけた。
メッチェには、先程のケイトの時のようにやはり走馬灯の如くその光景をスローモーで見た。
迫る、オレンジイエローの鋼鉄の巨腕。
「っ!…ファラ様ッ!!」
メッチェの脳裏に桃色の髪を翻す美しい女の笑顔が浮かび、
そして次に瞬間にはシャッコーの手がその幻想ごとメッチェを砕いて肉塊に変えてしまった。
リカールの速度が緩んだのを感じ、ヤザンはシャッコーのバーニアを全開にすると、
シャッコーはスルリとリカールの枷から逃れて空へと身を逃した。
直後、主人を失ったリカールは岩山へと突き刺さり、
そして大型ジェネレーターが大爆発を起こしてキノコ雲をもうもうと立ち上らせる。
岩山が崩れ、
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