ジブラルタルで踊る獣達
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たらどうだね!
私達を宇宙まで送るのだ…マンデラ………くく、ふふ、ふ、ふふふふ」
デプレが漏らす怪しげな笑み。
マンデラはその醜い表情をとても見ていられなかった。
人の心の邪悪さが現れているようなその顔は正視に耐えないものだとマンデラは思う。
青い顔で視線を下げて、そして絞り出すような苦渋に満ちた声で「わかった」と返答した。
それだけしか、もうマンデラには出来なかった。
(甘く見ていた…ベスパの狂気を甘く見てしまっていた!
奴らは…マリア主義に染まった狂信者なのだ…!
私は…中立を失った愚かな局長として、歴史に名を残すのだろうな)
蒸発した職員達へ侘びながら、マンデラはザンスカールに頭を垂れる。
100年以上の独立を誇った宇宙引越公社の歴史に、
一瞬かもしれぬとしても確かにザンスカールに屈した事実が刻まれた瞬間だった。
◇
その戦いは、宇宙世紀0153年、4月の後半に差し掛かった日…
時刻は昼が下って、太陽がオレンジに染まろうかという頃合いに始まった。
周囲を哨戒していたガッダール隊のバイク兵器ガリクソンが
無数の機影をキャッチしたとほぼ同時…、
レーダーに写った機影がすぐに濃いミノフスキー粒子によって消された。
濃くなりつつあるミノフスキー粒子の雲が迫ってくるとは、つまりはそういう事であった。
「すぐにファラ中佐に…いや、デプレ大尉に報告を!」
ドゥカー・イクから齎された敵機襲来。
推定数、およそ7の大型飛行物体。
ベスパはリガ・ミリティアが来ることを当然予想しており、
全機が直ちに迎撃に出られるようにはなっている。
「まだ5分の1も運び終わっていないというのに…リガ・ミリティアめ。
思ったより反応が早い…ワタリー大尉、出てくれ。
奴らを追い返すのだ」
既にゾロ改への搭乗を済ませたデプレから、
同階級であったワタリー・ギラへと命令が下るが、
ワタリーの乗るゴッゾーラはスピーカーで渋る。
「…リガ・ミリティアの戦力、侮るべきではありません。
ピピニーデン大尉もクロノクル中尉もやった相手です。
デプレ司令代理、トムリアット隊も出して頂きたい」
「ワタリー・ギラ戦闘大隊は今や30機を超えるゾロがいる。
しかも大尉は新型のゴッゾーラ…心配のし過ぎは臆病者になるぞワタリー。
ベスパの騎士道の求道者がそれではワタリー・ギラの名が泣くというものだ。
それにトムリアット隊のルペ・シノにはシャトルを守って貰わ
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