ジブラルタルで踊る獣達
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リガ・ミリティアとザンスカールの地上軍の総力がぶつかり合おうとしていた。
◇
「我々はザンスカールのベスパだということだ。
ガチ党のイエロージャケットだということだ。
アーティ・ジブラルタルをギロチンに沈めたくなければ、
宇宙引越公社のヨーロッパ局は今すぐにザンスカールに恭順を示せ!」
リカールからの女性の声で撒かれる大音量の宣言が、アーティ・ジブラルタルに響く。
空から、飛行船で商品宣伝をするかのように恭順要求の文句が垂れ流れて、
その騒がしさの中でゲトル・デプレ大尉は総局長マンデラと面会していた。
面会場所は宇宙引越公社が誇る広大な発着場のど真ん中である。
両者は互いに相対して、マンデラの側には秘書が…
そしてデプレの左右と背後には武装した6人もの兵隊がいる。
面会場所を囲むように3機のゾロさえ立っている。
「我々イエロージャケットは本気だ。
ベスパの大隊はジブラルタルを業火に沈める用意がある。
それを回避したくば直ぐにマスドライバーを開放し
シャトルで我々を宇宙に運んで欲しいものだな、マンデラ・スーン。
我々の試算では、ここの大型級シャトルなら我らが運んできた物資も人員も
数回のピストン輸送で運び出せる」
時間が惜しいのだよ、と
デプレは厭らしい笑みを浮かべて目の前の黒人男性を見下していた。
マンデラの額には青筋が浮かび上がりそうな程で、
スーツの裾近くで握られた左右の両拳は震えていた。
「よ、よくもそのような事を言えるものだ、イエロージャケットめ…!
公社の中立性を踏みにじれば、お前たちは世界を敵に回すのだぞ!?」
「ご助言感謝します、マンデラ殿。
では、さっさとシャトルに我が軍のMSを積むよう職員に指示を願おうかな」
デプレの厭味ったらしい笑顔が、マンデラの感情を常に悪い方向に刺激し、
マンデラは精一杯に虚勢を張って大声で張り上げた。
これらの押し問答はリガ・ミリティアが来てくれるまでの時間稼ぎとして必須で、
それだけにマンデラも必死に弁を奮う。
「断ると言えばどうなる!」
デプレは笑う。
「ベスパは頼んでいるわけではない。
これは命令だ…分かるだろうマンデラ・スーン。賢明になりたまえ。
ジブラルタルに展開したイエロージャケットは、もう公社の全施設の占領を終えたのだ。
占領したというからには貴君らはザンスカールの指揮下だ。
断るという事は命令違反となる。
命令違反という事は
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