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ヤザン・リガミリティア
獣の安息 その2
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の話を聞かないんだから!

あなたの下劣な勘違いなのよ…!」

 

「お嬢様も大変だな?キス一つ気軽に出来んとは。

いつもそんなにイイ子ちゃんでいちゃァ鬱憤が溜まるばかりだぜ?」

 

ヤザンが掴んでいた腕を引き寄せてカテジナを抱き寄せる。

ウーイッグのお嬢様は男の腕から逃れる事をまだ諦めず、

忌々しそうにヤザンの目を睨みつけていた。

オリファーは我関せずと書類に没頭し次々に片付け続けていた。

捗っているようである。

 

「…次にまた私の唇を奪ったら、舌を噛んでやる」

 

「ほぉ?そいつは俺の舌か?お前の舌か?」

 

やってみろよ、と言ってヤザンはカテジナの口へ舌をねじ込んだ。すると…

 

「…ッ」

(本当に噛みやがった…やるじゃないか、カテジナ)

 

約束通り、ヤザンのベロは噛まれて鋭い痛みが襲ったが、噛み切られる程の力ではない。

彼の舌から少しの血が垂れてカテジナの唾液に混じって溶けていく。

ヤザンは自分の血を、まるで飲ますように女の舌に塗りたくった。

約束は守ると言わんばかりの前回よりも深く熱いベーゼが繰り広げられて、

ヤザンの胸を全力で叩いていた女の細腕からは少しずつ力が抜けている。

それが疲れからなのか、ただの諦めか、それとも別の何かなのか、

それはカテジナ自身にも分かっていなかった。

ただ、貪られれば貪られる程に…

男を知らなかったウーイッグのお嬢様≠フ秘められた肉体は

急速に花開いていくようだった。

 

オリファーは頭をガリガリと掻いて、小さくブツクサと何かを言っている。

あぁマーベット助けてくれ…という言葉だけは聞き取れた。

 

 

 



 

 

 

カリーンの地下工場の周辺は緑が豊かだ。

カサレリアの森ほどではないが、この森を散歩していると故郷を思い出せるからなのか、

素朴な薄褐色肌の美少女、シャクティは散歩を好んだ。

鼻歌などを歌いながらの散歩で、彼女はとても上機嫌に見える。

 

「ねぇウッソ…カサレリアには冬になる前に帰れるかな」

 

「どうだろうね。いつ帰れるかはザンスカール次第になっちゃうよ」

 

少女の隣にはパートナーの少年がいる。

 

「…早く帰らないと…その間にお母さんが戻ってきたらどうしよう」

 

「目印のヤナギランの種は持ってきたんだから…。だからこうして埋めに行くんだろ?

…あっ、シャクティ。カルルマンがぐずってる」

 

少女の背中には赤ん坊のカルルマンもいる。

今の時間はカテジナ
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