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ヤザン・リガミリティア
獣の安息 その2
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ヘレンがくだけた様子で、軽いウィンクをしつつ笑ってメンバーに同意を求めると、

マヘリアが笑いながら頷いて

 

「そうそう!それよね、一番の理由は!」

 

陽気にそう言うと皆もそれに続いた。

ケイトもヤザンへ笑顔を向ける。しかし、

 

「隊長も元気みたいで安心しました…。

隊長は、あの…地上ではどうでした?」

 

その笑顔はあっけらかんとした明るいものというよりはどこか女を感じさせる。

普段の勝ち気でサバサバとした彼女らしいとは言えない、はにかんだものに見えた。

 

「…暫く会わん内に腑抜けたか?少し鍛え直す必要がありそうだなァ」

 

ヤザンがそう言うと悲鳴のような歓声のような叫びが女達から上がって非常に賑やかだ。

そんな調子で、暫くは皆、姦しく挨拶などをしていたが、

やがてケイトがヤザンの背後を見ながら言った。

 

「それにしても、隊長。見慣れないMSに乗ってますね。

そいつはわかりますよ。ヴィクトリーでしょ?隊長のあれもうちの新型なんですか?

なんだか、すごくザンスカールっぽいデザインですね」

 

マーベットとウッソ以外の者達が、

オレンジイエローの機体…シャッコーを見て首を傾げる。

ウッソが微笑みながら、ヤザンの代わりに説明しだす。

 

「あれはシャッコーといって、ザンスカールの新型MSです。

ヤザンさんがベスパから盗っちゃったんですよ」

 

ウッソの言葉にはどこか誇らしさが滲んでいるように聞こえる。

 

「ベスパから盗ったぁ!?うわー、さすがヤザン隊長…手癖が悪い!

…というか、あんたは……え?………うそ。

まさかこんな子供が2機めのヴィクトリーのパイロット?

マーベットの後部座席にいたとかじゃないわよね?」

 

「ち、違いますよ。僕は…ちゃんとあのヴィクトリーのパイロットです」

 

マヘリアが、シャッコーとウッソの両方に驚き、

そして少年の前で屈むとウッソの頭に白い手を優しく添えた。

シュラク隊が今度は少年へと群がりだす。

 

「ちょっと隊長!こんないい子どこから攫ってきたんですか?」

 

コニーが少年の頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

「あんなに女子供は戦場に来るなって言ってたくせに!」

 

ヘレンも少年の頭を、コニーよりは乱雑に撫でまくる。

 

「坊や、あの白いのに乗ってたんだろ?良い腕じゃないか。

がっつり隊長に仕込まれたんだ?」

 

ペギーが優しくウッソの頭を撫で触る。

 

「…ちょいとペギ
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