獣の安息 その2
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な、それ……いいな」
クロノクルの呼吸が落ち着いてきて、顔に滲んでいた汗もひいてくる。
シャクティに撫でられると落ち着くというのは、ウッソも経験した事がある。
ウッソも、今は嫉妬よりも安心感が勝り…
そしてクロノクルに対して強い憐れみを感じ、彼の事を弱い存在なのだと思えた。
「じゃ、じゃあ…ウッソは…俺の……、
お、お兄ちゃんになって…くれるって、こと?」
「僕が…クロノクルさんのお兄さん?」
カルルマンとクロノクルの間に手を突っ込んで、
彼の背を擦りながらウッソは素っ頓狂な声を出していた。
シャクティが、ほんの少し照れを表情に浮かべながら少年を促す。
「ウッソ…」
「うん…分かってるよシャクティ。
………そうだよ。僕は、クロノクルさんのお兄さん?になる。
皆のこと…僕が守るよ。もちろんクロノクルさんも」
ウッソは強い瞳でシャクティ達を、クロノクルを見る。
クロノクルの、実年齢の割にあどけなく力も無い純な瞳がウッソを見返している。
赤毛の純朴な青年が、屈託のない笑顔を少年に返して、
「…じゃあ、俺も…ウッソと姉さんの仲、認めてやろうかな…ハハハ、アハハハ」
犬のフランダースにまで頬ずりされて心底嬉しそうな様子だ。
「ハロ!ハロ!クロノクル カゾク!ウッソ ノ デッカイ オトウト!」
ハロはいつまでも喧しかった。
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