暁 〜小説投稿サイト〜
ヤザン・リガミリティア
獣の安息 その2
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
な、それ……いいな」

 

クロノクルの呼吸が落ち着いてきて、顔に滲んでいた汗もひいてくる。

シャクティに撫でられると落ち着くというのは、ウッソも経験した事がある。

ウッソも、今は嫉妬よりも安心感が勝り…

そしてクロノクルに対して強い憐れみを感じ、彼の事を弱い存在なのだと思えた。

 

「じゃ、じゃあ…ウッソは…俺の……、

お、お兄ちゃんになって…くれるって、こと?」

 

「僕が…クロノクルさんのお兄さん?」

 

カルルマンとクロノクルの間に手を突っ込んで、

彼の背を擦りながらウッソは素っ頓狂な声を出していた。

シャクティが、ほんの少し照れを表情に浮かべながら少年を促す。

 

「ウッソ…」

 

「うん…分かってるよシャクティ。

………そうだよ。僕は、クロノクルさんのお兄さん?になる。

皆のこと…僕が守るよ。もちろんクロノクルさんも」

 

ウッソは強い瞳でシャクティ達を、クロノクルを見る。

クロノクルの、実年齢の割にあどけなく力も無い純な瞳がウッソを見返している。

赤毛の純朴な青年が、屈託のない笑顔を少年に返して、

 

「…じゃあ、俺も…ウッソと姉さんの仲、認めてやろうかな…ハハハ、アハハハ」

 

犬のフランダースにまで頬ずりされて心底嬉しそうな様子だ。

 

「ハロ!ハロ!クロノクル カゾク!ウッソ ノ デッカイ オトウト!」

 

ハロはいつまでも喧しかった。

 


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ