獣の安息 その2
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から交代してシャクティの担当であるからだ。
「姉さん、代わるよ!俺に任せて。赤ん坊は得意だ」
そして長身赤髪の青年、クロノクルもいた。
彼ら4人の周りをうろちょろしているハロと犬のフランダースもいるから賑やかだ。
姉と呼ぶ小柄な少女から赤ん坊を受け取って、
ウッソが大きな背中に抱っこ紐で括り付けてやる。
「あー、ウッソ、しっかり結んでくれよ。前のは緩かった」
「うるさいな…前のはあなたの包帯が緩んだからズレたんだよ」
「違うね。ウッソの結び方がまずかった」
「包帯だよ。だいたいまだ体中に包帯してる怪我人が外歩いてちゃおかしいでしょ…。
クロノクルさんはゆっくり寝てればいいんですよ!」
ウッソは、未だにこの記憶障害のベスパの青年を持て余している。
まず言葉遣いに迷う。
見た目は完全に年上なのだから敬語が出そうになるが、
クロノクルと話していると言動がまるっきり同世代の少年に思えてしまうから、
話している内についついフランクな言葉になってしまう。
そして思い出したようにまた敬語、と言葉遣いが安定しない。
それは奇妙なことだとウッソは感じた。
「もう大分良くなったからいいんだよ。
寝てるだけじゃ暇でしょうがない。
それにウッソと姉さんを2人きりにすると、きっと2人はキスとかしちゃうんだろ!?
そんなのダメだからな…」
包帯が幾らか少なくなって、顔の治療も順調なクロノクル青年(心は少年)が、
姉と慕うシャクティに抱きつきながらウッソを睨んだ。
ウッソの顔が赤くなり、シャクティの顔も赤くなった。
「そ、そんなことしないよ!なんでそうなるのさ!」
「だって2人はボーイフレンドとガールフレンドなんだからきっとそうなるんだ。
でも俺が認めない限り姉さんはまだまだお嫁さんにはならない。
残念だったなウッソ・エヴィン!」
クロノクルが笑う。
何故か勝ち誇ったように。
「姉さんはお前の為に家事なんかしないからな!
まだ姉さんは俺の家族なんだ」
照れてしまうウッソではあるが、
それでもこの記憶違いのクロノクルに言い負かされるのは癪だ。
だからこう言い返す。
「…シャクティは良く僕の為に料理も作ってくれる。
僕のパンツだって洗ってくれてるんだ!カサレリアでは殆ど一緒に住んでたよ!」
「ちょ、ちょっとウッソ…クロノクルさん相手にそんなムキにならなくても」
なんだか聞いてるシャクティも気恥ず
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